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第3回公判(2010.10.21)

 

(4)「夜は寝たかったが、何度も誘われて…」被害者の“積極営業”を強調する被告

林被告

 耳かき店店員、江尻美保さん=当時(21)=ら2人を殺害したとして殺人などの罪に問われた元会社員、林貢二被告(42)の裁判員裁判第3回公判は、弁護側の被告人質問が行われている。

 男性弁護人は林被告が金曜日にも耳かき店に来店するようになった経緯について質問していく。

弁護人「どうして初めは土日しか店に行かなかったのですか」

被告「平日は仕事がありますから」

弁護人「なぜそれが金曜日も行くようになったのですか」

被告「美保さんに『平日の方がすいているので平日にも来てほしい』と言われたのですが、仕事に支障がでることはしたくないので断っていました」

「でも何度も言われて、金曜日の夜なら次の日が休みなのでそれなら…ということで通うようになりました」

 林被告は江尻さんの方から積極的に誘ってきたのだと主張する。

弁護人「平成20年8月29日から金、土、日曜日に店に行くようになりましたが、次回の予約について美保さんと話していましたか」

被告「ざっくりとだけど」

弁護人「美保さんから予約で便宜を受けたことはありますか」

被告「あります。次回の日と時間を2人であらかじめ話をして、内々に枠をとっておいてもらいます。8月くらいから事実上の予約を前日にしていました」

「他の人のことは知らないけれど、枠をとるのはみんなってことはないと思います」

 林被告は淡々と弁護人の質問に答えていく。左端の女性裁判員はしきりにメモをとっているようだ。

弁護人「枠をとった時間帯に他の人が予約を入れようとしても林さんが優先されるのですか」

被告「そうです」

弁護人「枠をとるなかで調整が必要になったことはありますか」

被告「あります。20年の9月ごろでした。私が次回来たいと言った日と他の人の予約がかぶっていました」

「美保さんが調整するといって、その結果を連絡をするため、メアドを私に教えました。通信手段がないと連絡が取れませんから。どちらから(教えてと)言ったかは覚えていませんが」

 その日の夜、江尻さんから「調整がついたから」というメールがきたという。

 次に質問は江尻さんが20年11月から、秋葉原店に加え、新宿東口店でも働き始めたときの話に移った。

弁護人「20年11月28日、どうして新宿東口店に来店することになりましたか」

被告「美保さんに『東口店があり、夜もそっちで働きたい。でも行くからにはお客さんがつかないと』と言われました」

「そして『(林被告が)来るなら行きたいけど、どうですか』と11月はじめに言われました」

 前日の証人尋問で江尻さんの同僚は、「林被告が『自分が深夜の時間帯に全部入るから』と江尻さんに新宿東口店でも働くことを勧めた」と証言していた。明確な食い違いがあるようだ。

弁護人「それについてどう答えましたか」

被告「断りました」

弁護人「なぜですか」

被告「夜は寝たかったので」

 向かって右から2番目の裁判員はメモをとる手を止め、じっと林被告を見つめている。

弁護人「林さんは朝まで遊んで仕事に行ったことが今までありますか」

被告「20歳前後のときに高校時代の友人と。最近はありません」

「20代後半以降は体力的にも無理ですし、友人も結婚していくから…。夜中まで遊ぶ友人もいなくなりました」

 弁護人は林被告が深夜・早朝の時間帯に出かけることに消極的だったことを証明したいようだ。

弁護人「結局、林さんは11月28日に新宿東口店に来店していますが経緯は?」

被告「何回か断ったのですが、美保さんに『どうしても(新宿東口店に)行きたい』と何度も誘われました。私は寝たいし、美保さんも寝る時間がなくなるから『体がもたないよ』と言ったのですが『大丈夫だよ』と言われて…」

「『じゃあ試しに一回だけ』と美保さんに言われ、私は『仕事があるから、次の日が休みの金曜か土曜日にしてほしい』と言いました」

 林被告は江尻さんにねだられ、しぶしぶ誘いに応じたと主張したいようだ。

弁護人「11月28日は午後11時から翌日午前5時まで新宿東口店にいましたね。マッサージやおしゃべりをしていたのですか」

被告「違います。前半は起きていましたが、2時ごろ私は眠くなって寝ていました。4時半ごろ美保さんに起こしてもらいました」

 林被告の声は小さいが、よどみなく答えていく。

弁護人「翌日の午後はまたお店に行っていますね。美保さんとは前日のことについてどんな話をしましたか」

被告「美保さんは『全然大丈夫』と言っていました。体力的にという意味だと思います」

「次回の来店については私から言ったというより、美保さんの方から『じゃあ次はいついつにしたい』と言ってきました」

弁護人「林さんは新宿東口店では毎回寝ていたのですか」

被告「ほぼ毎回…」

 一貫して美保さんの方から誘ってきたと主張する林被告。首をかしげるようなしぐさをする裁判員もいる。

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