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(5)拳銃向け「撃つぞ!」加藤被告は「ナイフを落とし、崩れ落ちるように座った」

引き続き、加藤智大(ともひろ)被告(27)を逮捕した男性警察官に対する証人尋問が行われている。検察官は、証人が加藤被告と対峙(たいじ)したときの状況について質問していく。

検察官「証人が対峙した男性は、そこに座っている加藤被告ですか」

証人「はい」

検察官「対峙したとき、証人はどのような体勢をとりましたか」

証人「右手にのばした警棒を持ち、警棒の先を加藤被告に向けました」

検察官「その際、加藤被告はどのような様子でしたか」

証人「右手にナイフを持ち、左足を前に出していました」

検察官「2人の距離はどのぐらいでしたか」

証人「1、2メートルまで迫っていました」

検察官「証人は加藤被告に対し、なんと話したのですか」

証人「『ナイフを捨てろ、武器を捨てろ』と言いました」

検察官「そこで、加藤被告はナイフを捨てましたか」

証人「いいえ、ナイフの刃先を私に向けた状況でした」

検察官「それで、加藤被告はどうしたのですか」

証人「左足を踏み込み、ナイフを私の胸に向かって突き刺してきました」

検察官「そして、証人はどうしましたか」

証人「はい、右手に持った警棒を、加藤被告の右腕の付け根めがけて振り下ろしました」

検察官「ナイフはどうなりましたか」

証人「私の胸に当たりました。衝撃はありませんでしたが、ガシャンと音がしました」

検察官「警棒はどうなりましたか」

証人「加藤被告の左の額にあたりました」

検察官「ナイフと警棒、どちらが先に当たりましたか」

証人「ほぼ同時だったと思います」

検察官「加藤被告はナイフをどうしましたか」

証人「離さずに持っていました」

検察官「それでどうしましたか」

証人「警棒を、横向きの『8』の字を描くように振り回し、威嚇しました」

検察官「加藤被告はどうでしたか」

証人「同じように、ナイフを横『8』の字を描くようにして向かってきました」

証人は、防護衣を着ていたため加藤被告に刺されずに済んだ。それでも加藤被告はあきらめることなく、証人に対して刃物を向け続けた。

検察官「威嚇しながら、どうしましたか」

証人「人の少ない路地に加藤被告を追いつめようとしました」

検察官「路地に行きましたか」

証人「はい、警棒で追いつめると、加藤被告は後ずさりしながら路地に入りました」

検察官「刃先はどこを向いていましたか」

証人「私の方を向いていました」

検察官「そこからどうしようと考えましたか」

証人「警棒を持ち替え、拳銃(けんじゅう)で威嚇することにしました」

検察官「どのように行いましたか」

証人「警棒を左手に持ち替え、すぐに腰のサックから右手で拳銃を抜き、銃口を加藤被告に向けました」

検察官「その際、撃鉄を起こしましたか」

証人「起こしませんでした」

検察官「そこで、なんと言ったのですか」

証人「『ナイフを捨てろ』と言いました。それでもナイフを持ったままでした」

検察官「それでどうしましたか」

証人「ひざを曲げて、大きな声で『打つぞ!』と言いました」

検察官「変化はありましたか」

証人「はい、加藤被告はナイフを落としました」

拳銃を突きつけられ、加藤被告は観念したようだ。法廷の加藤被告は、じっと下を向いている。

検察官「それで、どうしましたか」

証人「近づいて、足元のナイフをけりました」

検察官「それでどうしましたか」

証人「加藤被告の右手をつかみました」

検察官「加藤被告の様子はどのようでしたか」

証人「崩れ落ちるように座ったと思います。それから、左側を下にして寝ころびました」

検察官「何時でしたか」

証人「12時35分でした」

検察官「加藤被告が右手に持っていたナイフは、このナイフですか」

証人「そうです、そのナイフだと思います」

検察官は、ポリ袋に入れられたダガーナイフを取り出し、証人に確認した。ナイフは、片手で簡単に持てるほど小型のナイフだ。加藤被告は気になるのか、珍しく顔を上に向けてナイフを見た。

検察官「そこで、証人はなんと話したのですか」

証人「加藤被告に『今までやったことは分かっているな』と話したと思います」

検察官「加藤被告は答えましたか」

証人「答えてはいませんが、無言でうなずいたと思います」

検察官「そのほか、何か話しましたか」

証人「『持っているものを自分で言ってくれるか』と言いました」

検察官「それで加藤被告はなんと言ったのですか」

証人「『ジャケットの内側に折りたたみのナイフが入っています』と言っていました」

検察官「口調はどのようでしたか」

証人「普通に、落ち着いた様子で応じてくれました」

検察官「泣いていましたか」

証人「涙が出ていたか覚えていませんが、手錠を付けた後は泣いていたように思います」

検察官「少し前に戻りますが、ナイフを落としたときの加藤被告の表情はどのようでしたか」

証人「がっかりしたような表情でした」

⇒(6)警察官「やるかやられるかだった」 加藤被告との格闘証言