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(8)逃走後は神戸や大阪の建設会社に偽名で勤務…整形手術で鼻筋にシリコン

英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=に対する殺人と強姦(ごうかん)致死、死体遺棄の罪に問われた無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判の初公判は、殺害時にリンゼイさんが着ていた着衣の状況について検察側による説明が続く。

男性検察官はリンゼイさんのスカートに尿がついていた状況について説明。その様子に、父親のウィリアムさんは向かって左側の大型モニターをじっと見すえていた。しかし、母親のジュリアさんは涙をこらえることができず、顔を両手で覆っている。

続いて男性検察官は、市橋被告がリンゼイさんを拘束する際に使われたとされる結束バンドについて説明する。

検察官「犯行に使用したものと同じ結束バンドです。2種類あり、大きい方は長さ42センチ、幅5ミリで、小さい方は長さ30センチ、幅4・8ミリです」

説明を終えた男性検察官は、裁判官と裁判員、補充裁判員に直接、結束バンドを見せてまわる。堀田真哉裁判長にうながされて弁護側に提示した後、堀田裁判長が再び口を開いた。

裁判長「被告人はよろしいですか」

市橋被告は小さくうなずき、男性検察官が結束バンドを目の前に運んだ。それを確認すると市橋被告は小さく数回うなずいた。その後、男性検察官は市橋被告の部屋の状況の説明に入った。

検察官「部屋には固定されていない浴槽がありました。また、6畳と4.5畳の和室があり、両方の部屋の間にはふすまがありましたが、市橋被告はふすまを使わず1部屋のようにして使っていました」

「事件前まで頻繁に部屋に出入りしていた交際相手の女性によると、ふすまが破れたのは見ていないということです。また、結束バンドを使うところも見ていないということです」

リンゼイさんの遺体が埋められた浴槽がいつベランダに運ばれたのかについて、近所の住民の証言も報告された。

検察官「(平成19年3月)25日昼ごろに市橋被告の部屋のベランダには浴槽がなかったことが、近所の住民によって確認されています。一方、この住民は26日午後9時ごろに、警察官に被告人のことを尋ねられたあと、ベランダには浴室があったことを確認しています」

部屋の状況が説明される間、市橋被告はじっと前を向いていた。母のジュリアさんは依然、ハンカチで涙を拭いている。一方、男性検察官は市橋被告が現場の自宅マンションから逃亡し、逮捕されるまでの足取りについて説明を始めた。

検察官「被告の犯行後の行動について説明します。被告は平成20年2月29日から6月26日までの間、『イノウエコウスケ』と名乗り神戸市の建設会社で働いていましたが、その後、寮から姿を消しました。20年8月20日から10月10日までは大阪府茨木市内の建設会社で『イノウエコウスケ』の偽名を名乗り働いていました。その後、翌11日の午前中に荷物を残したまま寮から姿を消しました」

偽名を使い、各地を転々としていた市橋被告。その際、各地で顔に整形手術を繰り返していたとされる。男性検察官はその状況を説明した。

検察官「20年10月23日と24日、名古屋市内で整形手術を受けました。この時は眉間の手術をしていますが、この時には鼻筋にシリコンが注入されており、過去にも整形手術をしていました。整形手術前の市橋被告の顔写真はこちらです」

法廷の左右の大型モニターに、全国に指名手配されたときの市橋被告の顔が映し出される。写真は短髪で色が白く、幼さが残る表情の市橋被告が映されている。市橋被告は、特に視線をモニターの方に向ける様子はなかった。

検察官「市橋被告は平成21年11月10日に大阪市住之江区のフェリー乗り場待合室にいたところを、大阪府警住之江署員に発見され、署に任意同行されたあと、同日通常逮捕されました。逮捕時の写真がこちらです」

大型モニターに映し出される逮捕時の市橋被告の写真。先ほどの写真に比べ、肌の色はやや黒くなり、髪はぼさぼさに伸びていた。

検察官「本日の証拠は以上です」

裁判長「本日はこれまでとなります。明日は午前10時20分からとなります」

検察官が終了を告げると、堀田裁判長は次回公判の開廷を5日午前10時20分と告げて、閉廷を宣言した。市橋被告は一度立ち上がって一礼をした後、すぐに座り、退廷の準備を始めた。その様子を、リンゼイさんの両親は直立したまま、じっとにらみつけていた。

⇒第2回公判