(5)「『こんな娘いらない』と父は泣きながら言った」(一問一答)
午後3時50分に法廷再開。ここから検察官による勇貴被告への質問が行われた。
検察官「犯行直前、あなたと妹さんは仲良しだったのか?」
勇貴被告「あまり口をきかなかったので、どちらかというのは難しい。悪いとは思わなかった」
検察官「妹さんが中学2、3年のころから、両親に横柄な態度を取った事実はありましたか?」
勇貴被告「そうですね。あります」
検察官「妹の態度が悪いので、あなたは2度手を出した?」
勇貴被告「はい、あります」
検察官「高校1、2年のころ、顔を殴ったことがあるか?」
勇貴被告「お恥ずかしながら、あります」
検察官「妹さんが父親を口論で泣かしたことがあったか?」
勇貴被告「はい」
検察官「涙ながらに父親が言ったセリフを覚えているか?」
勇貴被告「『こんな娘、いらない』」
検察官「妹が家出をした原因は何か?」
勇貴被告「当時、原因について考えていなかった」
検察官「妹が家族とうまくいっていなかったから、とは思わなかったのか?」
勇貴被告「そのようには思っていなかった」
検察官「家出中に『亜澄がいないと、今までにないくらい平和だ』と言ったことがあるか?」
勇貴被告「似たようなセリフを言いました」
検察官「心配しているセリフではないのではないか?」
勇貴被告「事実でしたから。それで妹が帰ってこなければ良いと思っていたのではなく、事実として、けんかが起きないので」
検察官「インターネットで妹さんの大学を探してやって、感謝の言葉はあったか?」
勇貴被告「聞いていません」
検察官「家出から帰って、父母が妹さんに媚びている状況はありましたか?」
勇貴被告「はい。そうですね。ケーキを買って来るというようなことが」
検察官「ことあるごとに、父親に『家出するよ』と脅迫するようなことはあったか?」
勇貴被告「あったと思う」
検察官「不仲になることはあったのか?」
勇貴被告「あったと思う」
検察官「『バカじゃないの』などの捨てぜりふは、仲の良い兄妹の関係なら言われて不快にならないのか」
勇貴被告「そういう子でしたから。そうですね。普通でした」
検察官「不快ではなかったのか?」
勇貴被告「どちらかといえば…。難しいですね」
検察官「喜んでいたのか」
勇貴被告「それはありません。不快に思ったこともある」
検察官「精神診断で、『妹は疫病神』と言ったことを覚えているか?」
勇貴被告「覚えていない」
検察官「妹に好感情を持っているとは思えないが、仲は良かったのか?」
勇貴被告「そうですね、悪くはなかった」
検察官「3浪になることで、『もう1度やらせてくれ』と頼んだことはあるか」
勇貴被告「あります」
検察官「もう1回限りとは?」
勇貴被告「強く言われていない」
検察官「あなたの認識は?」
勇貴被告「どうだったでしょう、考えていなかった」