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(4)「親より僕の方が妹を理解していたのに」(一問一答)

弁護人「本件についてどのように思っているか?」

勇貴被告「妹は苦しんでいたわけだから、かわいそうな子にかわいそうなことをしてしまった。もっと早く、妹がどういう状況だったのかということを理解してあげればよかった。僕が理解していれば家族に話せたし…。やってしまったこと以上に、理解してあげられなかったというのが心に残っている」

弁護人「亜澄さんが獣医学部を受験していたというのは知らなかった?」

勇貴被告「はい」

弁護人「去年の2月に芸能プロダクションと1年契約して、女優を目指していたということは?」

勇貴被告「聞かなかった」

弁護人「なぜ妹を殺さなければならなかったのか?」

勇貴被告「僕自身も説明できるほど分かっていないというか…。分かりません」

弁護人「毎日、毎日、考えた?」

勇貴被告「今でも考えている」

弁護人「だけど分からない?」

勇貴被告「はい」

弁護人「本件以外にも、2人きりになることはあったのか」

勇貴被告「あったはず」

弁護人「だけど問題は起きなかった?」

勇貴被告「はい」

弁護人「攻撃的な言葉は?」

勇貴被告「それはありました」

弁護人「では、どうしてあの夜に事件が起きたのか?」

勇貴被告「…分からないです」

弁護人「どうすれば起きなかったか?」

勇貴被告「いろいろ考えられるが、妹のことをもうちょっと理解してあげていれば…」

弁護人「家族は理解していたか?」

勇貴被告「今でも理解できていないと思う。思い上がりかもしれないが、(自分の方が)両親より理解していると自負している」

弁護人「亜澄さんが心療内科などに診てもらっていれば、その後の生活は変わっていたと思うか?」

勇貴被告「医者でなくても、話を聞いてもらえる方と何度も対話を重ねていけば、手首を刃物で傷付けたりもしなかったと思う」

弁護人「以前、あなたは『家族はよいことも悪いことも全てを知った上で、共感して生きていくものだ』と話していたが、今でもそう思っているか?」

勇貴被告「もちろんです」

弁護人「あなたの友人から『1日でも早く罪を償って社会復帰してほしい。自分は今でも親友だと思っている』という手紙を受け取っているが、どう感じているか?」

勇貴被告「家族でもないのにありがたい。僕としては償ってから社会復帰じゃなくて、社会復帰してからの償いや弔いが大事かと思う」

弁護人「今の心境は?」

勇貴被告「妹に本当にかわいそうなことをしてしまった。それ以前に、理解してあげられなかったことについても謝罪したい。両親に対しても、何年間も浪人してグダグダ過ごして迷惑をかけた上に、大変なことをやってしまったことについてお詫びをしなくてはならない。口ではなく、態度で…。家族以外の方にもずいぶんご迷惑をおかけした。きどった言い方かもしれないけど、世間様をお騒がせし、態度でお詫びをしていかなければならない」

弁護人「亜澄さんに対しては?」

勇貴被告「ほとんど何もできないが…。最初は妹の戒名を飾って拝んでいたけど、兄にそんなことをされるのはちょっとおかしいですから、今では話しかけたりしていますけど」

弁護人「これからどんなことを話していく?」

勇貴被告「妹はもういませんから、どうしようもありませんけれど。思い上がりかもしれないが、妹のように家族に理解されずに苦しんでいる人々を手助けというか、そういったことができれば喜んでくれるかと。世間様にも、お詫びとして受け取っていただけるのではないかと思う。妹は報われはしないが…」

弁護人「立派に更正できるか」

勇貴被告「します」

ここで公判はいったん休廷した。

⇒(5)「『こんな娘いらない』と父は泣きながら言った」