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(7)「犯行はバーチャルリアリティー」鑑定人、詐病も否定

歌織被告に責任能力がなかったことを立証しようと、弁護側が鑑定人に質問を重ねる。歌織被告はやや目線を落としている。

弁護人「責任能力に影響を与えるのはどんな症状か?」

金鑑定人「まずは朦朧(もうろう)状態。幻覚も出ることが多くなると影響を与える」

弁護人「どうしてこの日(犯行日)にそういう状態になったのか。不眠などにあるのでは、というが?」

金鑑定人「あらゆる精神疾患に不眠はよくない」

弁護人「(犯行前に)友人が帰ったことは?」

金鑑定人「友人が一緒のときも本人は不安を感じていた。1人で待たなくてはならなくなり、不安が高まり症状が出た」

弁護人「症状が出るとどうして責任能力が欠如しているとなるのか?」

金鑑定人「朦朧状態で幻覚が起きたことで、現実感がない。混乱してしまった。不安感が病的レベルに達していた。適切に判断して行動を制御することが難しい」

弁護人「遺体の損壊まで時間があるが、責任能力がないことに合理的説明ができるのか?」

金鑑定人「時間が経っているので、衝動性はなくなっている。残るのは現実感がないこと。犯行は本人にとって現実世界のこととはなっていない。バーチャルリアリティー(仮装現実)のこと。マンションの近くに遺体を捨てているが、自分では精いっぱい遠くに捨てた。現実的な枠組みで判断ができていない」

歌織被告は表情を変えず、鑑定人の話を聞き続ける。弁護側は、弁護側請求の鑑定人、木村一優氏にも意見を求めた。

弁護人「木村先生はどう思うのか?」

木村鑑定人「朦朧状態が大きい。(犯行を行った平成18年)12月12、13日の4時間くらい、友人が帰った後に暴力への緊張感があった。必ず暴力を受けるに違いないという、これまで感じたことのない恐怖があった。今までにない体験で困惑している。行動を制御するのは難しかった。多幸感とはただ、気分が高まるということではない。不安などを見ないようにする。合理的判断をすることは難しかったのではないか」

歌織被告の話に嘘はないのか、弁護側はより主張を強固なものにしようと、慎重に質問を重ねる。

弁護人「詐病ということは考えられるのか?」

金鑑定人「特にない。(症例と)きれいに一致した証言になっている。専門知識がなければできない」

弁護人「本人が刑を軽くしようとしている部分は?」

金鑑定人「長期の刑を覚悟しているようだった」

弁護人「本人の話に嘘はあるのか?」

木村鑑定人「PTSDと犯行の関係が問題になっているとは聞いていた。鑑定を始める前に何度か会って問診をした。(一般人が)PTSDにかかっているふりをすると、(問診で)フラッシュバックがあったようなまねをする。(歌織被告への問診の中で)フラッシュバックの症状があったことを見つけるのが難しかった。被告の症状で主にあるのは眠れない、誰かに追われているということ。PTSDについて勉強していれば、フラッシュバックを主張する。PTSDのふりというのは無理だと思う」

⇒(8)2人で面接、所見は共有 検察官は「共同鑑定」と指摘