(5)本当に接触障害? 触りたくなかったのは「服を着せるの面倒だから」
引き続き、弁護人は彩香ちゃんとの関係について質問していった。今度は育児の困難さについて聞きたいようだ。
弁護人「彩香ちゃんが生まれてから育児に困ったことは?」
鈴香被告「なんで泣いているか分かりませんでした。ウンチやミルクを替えても…。夜はきちんと寝てくれるのに、昼泣くのがどうしてだか分からなくて…。それで悩みました」
弁護人「そういうときはどうしましたか?」
鈴香被告「どうしたらいいか分からず、切石の実家に連れて行ったりしました」
弁護人「お母さんに(対処方法を)聞きに行ったのですか」
鈴香被告「それもあるけど、母に面倒を見てもらおうと思って」
弁護人「お母さんからアドバイスは?」
鈴香被告「特にないです」
さらに、鈴香被告が悩んでいたという彩香ちゃんとの「接触障害」について説明を求める弁護人。
弁護人「あなたは、彩香ちゃんに触るのが苦手ということでしたが、それはいつごろからですか?」
鈴香被告「気付いたのは3歳ぐらいだったと思います」
弁護人「(触ることの)何が苦手なんですか?」
鈴香被告「汗とにおいに気付いてからダメになりました」
弁護人「あなたは汗をかいたことは?」
鈴香被告「ほとんどありません」
弁護人「周囲に汗をかく人は?」
鈴香被告「元夫とか、交際相手とか…」
弁護人「(汗をかく人は)彩香ちゃんが小さいころは、元夫がいましたよね?」
鈴香被告「はい」
弁護人「苦手といいますが、具体的には、どう苦手なのですか」
鈴香被告「ヌルヌルしたりとか、汗を拭いた後、別の服を着せたりとか面倒だったこともあるし…1人でそれをするのが、とても大変でした」
弁護人「(気付いたのは)3歳ぐらいというが、おむつを替えるのは大丈夫だったのですか」
鈴香被告「夢中だったので、そういうことは感じないで、おむつを替えたり、お風呂に入れたりしていました」
弁護人「なんで泣いているのか分からないにしても、それなりに育児をしていたのですね」
鈴香被告「私なりにしていました」
ここで弁護側は質問を打ち切り、第2回公判で続きを行うことに。ここまでの鈴香被告は1審の被告人質問同様、弁護側の質問には淡々と感情を乱すことなく答えていた。次回公判は10月16日午前10時から行われる。