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(6)「間違いなく私がやった」に裁判長は「再鑑定必要なし」 4月結審へ

1時間以上続いた被告人質問は終わりに近づいた。河本雅也裁判長の質問に、歌織被告は淡々と答えている。

裁判長「祐輔さんは非常に重い傷害を負ったが、それは自分の行為で起きたとは納得できないか?」

歌織被告「いまは分かる」

裁判長「では、質問終わります」

被告席に戻る歌織被告。一度髪をかき上げると、セーターの首の部分を直した。河本裁判長が合議のため3分間の休廷を告げ、裁判官3人は法廷の外へ。休廷中、何かを思い出したのか、歌織被告が突然涙ぐみ、持っていたピンク色のハンカチで目元をぬぐった。午後4時20分、河本裁判長らが戻り、審理の再開を告げた。

裁判長「再度確認したいことがあるので、被告人質問をする。きょうの質問では、ワインの瓶が祐輔さんの頭に当たって、祐輔さんが『何で?』と言いながら立ち上がり、その後、映像が素早く流れて、祐輔さんが後ろ向きに倒れたということだね?」

歌織被告「はい」

裁判長「以前、倒れた祐輔さんを2、3回殴ったと供述しているが?」

歌織被告「私が殴ったと思うし、最後に気づいたときの状況からすると、間違いなく私がやったと思う」

裁判長「後ろ向きに倒れた後どうしたと、前に答えたか覚えているか?」

歌織被告「『殴ったと思う』と答えたと思う」

裁判長「倒れた後も殴ったことは間違いないね?」

歌織被告「あのときの状況を考えたらそうだと思う」

裁判長「では、まだ判断していない証拠を判断していく」

証人の供述調書などについて次々と判断を下していく河本裁判長。その途中で、検察側の求めていた再鑑定について結論を下した。

裁判長「再鑑定については、必要なしと却下する」

男性検察官が立ち上がり、『裁判官の裁量権の逸脱だ』と決定に異議を申し出たが、河本裁判長はこれを即座に却下。証拠調べが終わり、河本裁判長が次回期日を指定する。

裁判長「次回は4月10日午後3時半から、1時間半程度行う」

刑務官に付き添われ、歌織被告は足早に法廷の外に出た。次回は検察側の論告求刑、弁護側の最終弁論、歌織被告の最終陳述が行われ、ついに結審を迎える流れだ。

⇒第13回公判