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第9回公判(2012.1.24)

 

(5)「指が太い」 婚約指輪代わりにブレスレット

木嶋被告

 首都圏の連続殺人事件で練炭自殺に見せかけ男性3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)に対する裁判員裁判の第9回公判(大熊一之裁判長)は、休憩を挟み、東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん=当時(53)=の殺害事件について、寺田さんの姉への証人尋問が続けられている。

 寺田さんは平成20年6月に婚活サイトを通じて木嶋被告と知り合った。姉は寺田さんから6月と9月の2回、交際状況を聞かされていた。

検察官「次に(寺田さんから)木嶋被告について聞かされたのは」

証人「翌年の正月です」

検察官「どこで」

証人「実家です」

検察官「具体的には」

証人「相手が結婚してくれると言っていました」

検察官「相手とは」

証人「木嶋さんです」

 証人は木嶋被告の名前を口にしたくないのか、声が小さくなる。

検察官「いつごろ結婚すると」

証人「いつとは出ていませんでした」

検察官「お姉さんとして結婚の話を聞いたときにはどうでしたか」

証人「よかったなと思いました」

 家族は手放しで喜んだという。だが、すぐに雲行きは変わる。

検察官「次に話をされたのは?」

証人「1月4日です」

検察官「どのような内容でしたか」

証人「相手の方(木嶋被告)が妹と暮らしていたのですが、妹が引っ越すので家賃が払えないと。そこですぐにでも(寺田さんのマンションに)越してきたいと言われたと…」

検察官「いつごろ転居してきたいということでしたか」

証人「すぐにでもと、せいている感じでした」

検察官「それを聞いて、どう思いましたか」

証人「おしかけ女房かなと。それにしても話が急すぎると思いました」

検察官「隆夫さんは、どんな感じでしたか」

証人「結婚相手に言われたことなので、対処しなくてはいけないという感じでした。荷物も送られてくるということでしたし」

検察官「荷物とは」

証人「衣類とかです」

検察官「ほかの話は」

証人「一度、お会いすることになるので、顔も分かっていた方がいいかと、写真がないかと尋ねました」

検察官「写真を見たのですか」

証人「(木嶋被告が)撮られるのは嫌なので、ないと言っていました」

検察官「では、実際に見ていないのですね」

証人「日を置いて、見せてもらいましたが、あまり小さすぎて、顔が分かりませんでした」

 その後、姉は寺田さんと電話でも会話している。その際、婚約に際し、ブレスレットを贈ったと説明を受けたという。

検察官「ブレスレットのプレゼントをしたと聞きましたね」

証人「相手の方(木嶋被告)が、指が太くて入らないので、ブレスレットを希望したと言っていました」

検察官「その後の結婚の進展状況は」

証人「はい。始めはすぐにでも荷物を送ってくるという感じでしたが、とどまってもらったと。1月末には相手の方のお知り合いと会うことになっているとも説明していました」

検察官「知り合いとは」

証人「昔、非常にお世話になったおばさんに会いに行くということでした」

 おばさんに会いに行くのは、婚姻届に署名してもらうためだったという。

検察官「自宅のカギについても話しましたね」

証人「相手の方にお渡しするので、スペアキーをもらいたいと」

 寺田さんのマンションのカギは3本で、姉と母親が持っていた。その2本のうち、1本を寺田さんは預かっていったという。

検察官「いつのことですか」

証人「1月18日だったと思います」

 検察官は、その後も簡単な質問を続け、この日の証人尋問を終えた。続いて弁護側が尋問を始める。

 弁護側はカギの受け渡し時期などの確認を行い5分程度で質問を終了させた。最後に大熊裁判長が1つ質問をし、休憩に入った。

 休憩の間、木嶋被告は弁護人と小声で打ち合わせを続けた。約30分後、審理が再開。裁判所側から寺田さんの姉への質問が続けられる。

裁判官「21年1月4日の時点で(寺田さんが自宅に)『女の人が引っ越してくる』と言っていたのが、その後、1月末に変更になった理由は分かりますか」

証人「(結婚の話が)あまりに急なので『延ばしてみたら』と言ったら、本人(寺田さん)が『延ばした』と言っていました」

 続いて、男性裁判官が質問する。

裁判官「寺田さんの性格は、顔に喜怒哀楽が激しく出やすかったのですか」

証人「あまり出す方ではありませんでした」

裁判官「落ち込んだエピソードとかはありますか」

証人「(落ち込んだことが)あまりないので。そういった姿はほとんど見ていません」

 再開5分後で、この日の審理は終了した。木嶋被告は疲れを見せず、落ち着いた表情を崩さない。

⇒第10回公判