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第9回公判(2012.1.24)

 

(4)ピアノ講師、大学院生…変わる木嶋被告の職業

木嶋被告

 首都圏の連続殺人事件で練炭自殺に見せかけ男性3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)に対する裁判員裁判の第9回公判(大熊一之裁判長)は、休憩を挟み、東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん=当時(53)=殺害事件についての審理が再開された。

 いよいよ本格的な審理に入る。1人目の証人として、寺田さんの姉が出廷した。

 傍聴席や弁護人の横に座る木嶋被告から顔や姿を見られないように、衝立で隔てられている。

 証人が宣誓した後、大熊裁判長が偽証罪の説明をするなどし、証人尋問が始まった。

検察官「証人は、寺田さんのお姉さんでいらっしゃいますね」

証人「…」

 その後も簡単な経歴の確認などをするが、証人の声が小さく、なかなか聞き取れない。大熊裁判長がもっと大きな声で答えるように証人に要望。検察官が質問を続ける。

検察官「隆夫さんの人となりですが、性格はどのような感じでしたか」

証人「おとなしくて、まじめで…。あまり人と積極的にかかわるようなタイプではありませんでした」

検察官「仕事は」

証人「ソフトウエアの設計です」

検察官「仕事の態度は」

証人「非常にまじめで責任感も強かったです」

検察官「隆夫さんとはどれくらいの頻度で会っていましたか」

証人「週に1度くらいです」

 寺田さんの姉によると寺田さんは週に1回、実家に帰るなど、ひとりで暮らす母親を気遣っていたという。姉も同様に実家に帰り3人は頻繁に顔を合わせていた。

 生活は派手ではなくほとんどお金も使うことはなかったとする。こうした事実関係を確認し、検察官は質問を重ねる。

検察官「結婚観についてお尋ねしますが、隆夫さんは、願望は強かったのですか」

証人「機会があればという感じでした」

検察官「具体的に結婚に関して行動を起こしたことはありましたか」

証人「いわゆる結婚相談所に登録していました」

検察官「いつごろですか」

証人「(事件が起きた平成21年1月の)5、6年くらい前だったと思います」

 結婚相談所で知り合った2、3人の女性と交際に発展することはあったというが、結婚までは至らなかった。

検察官「うまくいかなくなった際、隆夫さんはどんな感じでしたか」

証人「淡々としていました。ちょっと駄目だったと…」

 弁護側は、寺田さんが木嶋被告から別れ話を突きつけられ、傷心の末に自殺したと主張している。検察側は寺田さんが傷心するような性格ではなかったと印象づけていく。そして、核心の木嶋被告との出会いについての質問に切り替える。

検察官「被告人のキジマ・カナエという名前を聞いたのはいつですか」

証人「平成20年6月でした」

検察官「どのような話でしたか」

証人「インターネットの(婚活サイトの)登録で知り合ったということでした」

検察官「それ以外に木嶋被告について、何か聞かれましたか」

証人「その時点では、詳しく聞いていませんでした」

検察官「(木嶋被告の)仕事については」

証人「ピアノの先生ということでした」

検察官「次に木嶋被告について聞かれたのは」

証人「9月くらいだったと思います」

検察官「そのときは何ということでしたか」

証人「(木嶋被告と)しばらく会っていない状況ということでした。今は栄養大学の大学院に通い、論文で忙しくて会えないと」

検察官「どのような論文だと?」

証人「どんな内容か聞きましたところ、妊婦と栄養の関係だと」

検察官「テーマを聞いてどう思いましたか」

証人「非常に奇妙だと。そのような題では、大学院レベルではないと思いました」

 姉は寺田さんにおかしいと疑問を投げかけたが反応は鈍かった。ピアノの講師に大学院生…。経歴を変遷させる木嶋被告だが、家族は、この時点では疑問を感じることはなかったという。

 木嶋被告は、公判にじっと耳を傾けている。

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