×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

Free Space

(2)「極めて自己中心的で卑劣、酌量の余地なし」

 星島貴徳被告は自室を出ると、916号室に向かい、部屋のドアを開けた。玄関に東城瑠理香さんがいたが、東城さんは星島被告を見ると声を上げて叫び、星島被告を外に押し出そうとしてもみ合いとなった。星島被告は東城さんの顔面を右こぶしで1回殴りつけた。東城さんは抵抗をやめ、フローリングの上にしゃがみ込んだ。

 星島被告は東城さんをうつぶせに押し倒すと、その上に馬乗りになり、ブーツを脱がせたうえ、コートの襟首を背中辺りまで引き下げて両腕の自由を奪って立たせた。室内にあったタオルを縦に半分に切り裂いて両手首を後ろ手に縛り、ジャージーのズボンで目隠しをするなどした。

 そして、星島被告は東城さんの黒いバッグを持ち出し、室内にあった包丁(刃渡り約17・5センチメートル)をその首かほおに突きつけ、「これから外に出る。おとなしくしろ」などと脅迫し、共用通路を経て自室の918号室に連れ込んだ。 星島被告は、この時、東城さんを以前、916号室の前で見かけた東城さんの姉だと思い込んでいた。

わいせつ目的略取は「計画的」

 星島被告は、女性と実際に交際した経験がなかったが、女性と交際したり性交したりすることを望んでいた。そのための手段として女性を拉致して強姦し続けることで性の快楽の虜(とりこ)にし、自分の言うことを聞く「性奴隷」にしようと考えた。「性奴隷」にするのは若い女性であれば誰でもよかったので、東城さんを、その対象として、住居侵入、わいせつ略取を行っている。

 その動機は、相手のことなど全く考えず、自己のゆがんだ性的欲望の充足のみを求めたもので、極めて自己中心的かつ卑劣であり、酌量の余地は皆無である。

 犯行の態様も大胆かつ粗暴、凶悪で、非常に悪質である。星島被告は金曜日の夜に女性を拉致すれば、月曜日の朝まで発覚せず、2日以上かけて強姦を繰り返して快楽を与えることができると考え、金曜日を犯行日と定めた。住居侵入、わいせつ略取は計画的な犯行ということができる。

こだわった「性奴隷」

【殺人、遺体損壊・遣棄について】

 星島被告は東城さんを918号室の洋室まで連れ込んだ後、ベッドマットの上にあおむけに寝かせた。声を上げないように口の中にタオルを押し込み、自由を完全に奪うため、ビニールのひもで、手首と足首をそれぞれ固く縛った。

 星島被告は東城さんの左の額に傷があり、そこから血が出ていることに気づき、ハンカチを水にぬらして傷口にあてたが、血痕が残っているかもしれないと考え、タオルを持ち出して916号室に戻った。廊下の血痕や足跡をタオルでふき、指紋を消すために台所下の物入れの扉をふき、玄関ドアの内側やドアノブ、共用通路に落ちていた血痕もふくなどして、918号室に戻った。

 星島被告は東城さんを強姦しようとしたが、東城さんがけがをしていて快感を感じないので、簡単には「性奴隷」にはできないのではないかなどと不安になった。

 星島被告は、まずは自分が性的に興奮しなければ強姦できないと考えたが、緊張していたことや、東城さんが叫んだり暴れたりするかもしれないと思うと怖くなり、陰茎が勃起せず、自分が強姦している場面を想像しようとしたが、できなかった。そこで、星島被告は東城さんを「性奴隷」にできなかった場合の脅迫方法を考えたりしたが、やはり「性奴隷」にするのが一番良いとも思い、性的に興奮しようとして音声を消したままアダルトビデオを見た。

保身のためには「存在消すしかない」

 東城さんの姉は平成20年4月18日午後8時43分ごろ、916号室に帰宅し、異変に気づいて警察に通報した。警察官が駆けつけた。警察官は午後10時20分ごろ、918号室のドアをノックした。

 星島被告はこの時、アダルトビデオを見ていたが、ノックの音を聞いて驚き、すぐには玄関に出なかったが、警察が来たのかもしれないと不安になり、午後10時40分ごろ、コンビニエンスストアに行くふりをして外に出た。916号室の前に警察官が3人立っており、事件とは無関係を装い、再び918号室に戻った。

 星島被告は東城さん方のすぐ近くに住んでいる自分が真っ先に疑われ、警察官らが部屋の中を確認しに来れば東城さんが見つかり、逮捕されてしまうと考えた。もし逮捕されてしまえば、月に50万円を稼げる仕事や、それなりにぜいたくな暮らし、自己の体面などを失うと憂慮した。そして、逮捕されずに東城さんを帰す方法がないか考えを巡らせたが、そのような方法は思いつかず、結局、東城さんを殺害し、その遺体を解体して投棄し、東城さんの存在そのものを消し去るしかないとの結論に至った。

 東城さんを確実に殺害する方法として、首を刺してできるだけ多く出血させて殺害することを決意した。

 星島被告は午後11時ごろ、タオルを1枚持ち出し、916号室から持ち出した包丁を左手に持って、ベッドマットの上にあおむけに横たわっている東城さんに近づくと、その左脇辺りのところで中腰になった。タオルを首の左横に置いて右手でその口を押さえ、左手で包丁を強く握り、いきなり首に突き刺し、さらに、体重をかけて奥まで突き刺した。5分ほど経過しても東城さんの呼吸が止まらなかったため、星島被告は東城さんをできるだけ早く殺そうと、左手で包丁を抜き取って大量に出血させた。さらに、5分ほどして東城さんの呼吸、鼓動、脈を確かめ死亡を確認した。

⇒判決要旨(3)「被告は公判で謝罪したほかは何もしていない」…遺族に強い処罰感情