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(1)「無期懲役」にうなだれる遺族 星島被告の表情は…

東京都江東区のマンションで、2室隣の東城瑠理香さん=当時(23)=を自室に拉致し殺害、遺体を切断してトイレから流したとして殺人罪などに問われた星島貴徳被告(34)に対する判決公判が18日午前10時、東京地裁104号法廷で開廷した。1月26日の前回公判では検察側が死刑を求刑。弁護側は無期懲役判決を求め、初公判から2週間足らずですべての審理を終えた。裁判長は前回公判で、判決を当初の期日から8日遅らせ、審理に慎重に期すことを法廷で明言。注目点は、被害者1人の今回の事件で、地裁が極刑を選択するか否かの一点に集約されている。

公判は今回で7回目。争点を裁判官、検察官、弁護人の3者が整理する公判前整理手続きを経て、初公判は1月13日に開かれた。星島被告が「セックスで快楽を与えれば、100%自分の言うことを聞く女性を作れると思った」として、罪を全面的に認めたことから、争点は量刑に絞られている。

裁判員裁判を強く意識する検察側は、犯行の残虐性を強調するため、切断された肉片や遺体切断時の再現画像を大型モニターに映し出す異例の手法で立証を進め、「人間の顔をした悪魔」「鬼畜の所業」と星島被告を非難。「遺体を人間としてではなく、生活と体面を守るために邪魔な『物』として無惨に解体した。根深く、顕著な凶悪犯罪性向をみれば、矯正は到底不可能」として死刑を求刑した。

これに対し弁護人は「殺害方法に特段の残虐性はない。死体損壊の法定刑は懲役3年以下にすぎない」「ほかの事件の被告と比べ、例がないほど真摯(しんし)に反省している」とし、無期懲役にすべきだと訴えた。星島被告は、自ら死刑を望む主旨の発言を法廷でしている。

開廷直前に法廷に入った星島被告は丸刈りの頭に黒いタートルネック、黒いスウェット姿で、初公判から7回連続で同じ服装。後頭部にはかきむしったような赤い傷がある。色白の肌をやや赤らめて下を向き、傍聴席には目を向けなかった。今回も傍聴席の一角を全身黒い服装の遺族、友人ら10人ほどが占めている。東城さんの遺影も判決の行方を見つめる。

平出喜一裁判長「それでは開廷します。あなたに対する住居侵入、わいせつ略取、殺人、死体損壊、死体遺棄被告事件について判決を言い渡します。主文。被告人を無期懲役に処する」

傍聴席にいた報道関係者が速報のためバタバタと慌ただしく法廷を飛び出した。法廷中央の裁判長に向かっている星島被告の表情は、背後からは読み取れない。

裁判長「被告人は東城瑠理香さんを略取して姦淫する目的で平成20年4月18日午後7時半ごろ…」

裁判長は下を向き、はっきりした口調で判決を淡々と朗読していく。まずは事実関係の確認だ。東城さん方に玄関から押し入り、首に包丁を突きつけて自分の部屋に連れていったが、陰茎が勃起しないため強姦ができず、アダルトビデオを見ているうちに警察が捜査を開始したことを察知。包丁で刺殺して遺体を解体し、自宅の水洗トイレに流すなどした−とする起訴事実を、裁判所がほぼ全面的に「事実」として認定したことが述べられていく。

最前列に座っていた遺族とみられる男性の1人は、顔を真下に向け、突っ伏すような体勢になっている。泣いているように見える。

裁判長「以下、判決の理由を述べます」

量刑を決めた理由に入る。判決の核心だ。

「被告人は女性と実際に交際した経験がなかったものの、交際したり性交したりすることを欲しており、そのための手段として女性を拉致して強姦し続けることで自分の言うことを聞く『性奴隷』にしようと考えた」

公判で強い印象を残した「性奴隷」についても認定した。

裁判長「相手のことなど全く考えず、自己のゆがんだ性的欲望の充足のみを求めたもので、極めて自己中心的かつ卑劣で、酌量の余地は皆無である」

「金曜日の夜に拉致すれば月曜日まで発覚しないと考えた上、かねてから電気メーターを観察して東城さんの帰宅時間を把握していた。また、足音がしないように靴を履かずにいたのであり、住居侵入、わいせつ略取は計画的な犯行ということができる」

弁護側は計画性を否定していたが、裁判所は犯行のはじまりとなった住居侵入、わいせつ略取については計画性を認定した。続いて殺人、死体損壊などについて言及していく。

⇒(2)静けさ支配する法廷 「自責の念みてとれず」裁判長が強い非難も…