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(11)「あれは女の自作自演」…同僚との酒席で“自説”を披露した被告

星島貴徳被告の上司にあたる男性に対する弁護側の質問が続く。男性の証言によると、星島被告の仕事ぶりは速く的確で、職場で問題を起こしたりすることもなかったという。弁護側は、星島被告がごく普通の会社員だったことを印象付けたいようだ。

弁護人「事件があったことで、会社の女性職員はどう感じていますか」

証人「ショックと、信じられないのとで、複雑な感覚だと思います」

弁護人「星島被告から、家族のことを聞いたことがありますか」

証人「ありません」

弁護人「両親について、聞いたことはありますか」

証人「特にありません」

弁護人「女性関係について聞いたことはありますか」

証人「ありません」

弁護人「犯行後、職場の雰囲気が悪くなったことはありますか」

証人「ショックは受けましたが、特段、雰囲気が悪くなったことは、目に見える限りではありません」

弁護人「事件後、元請けから『(星島被告のような)あんな人間をよこしてきやがって』などといわれ、仕事ができなくなったことはありますか」

証人「ありません」

弁護人「最後に、星島被告に何が述べたいことはありますか」

証人「深く反省し、罪を償っていただきたいと思います」

弁護人の星島被告の上司に対する質問はここで終了した。「弁護人から言われて(証人尋問を)引き受けた」と証言した通り、上司は淡々と星島被告の勤務態度などを話したが、積極的にかばうような言葉は少なかった印象だ。一方の星島被告は上司が出廷したにもかかわらず、一度も目線を合わせようとはせず、うつむいたままだった。

続いて上司に対する検察側の質問が始まった。主任検事は、星島被告に対するのと同じような厳しい表情で腕を組みながら、上司へ質問を重ねていった。

検察官「平成20年5月から、あなたの会社で社員同士の連絡会議が行われるようになりましたか」

証人「はい」

検察官「1回目はいつですか」

証人「5月16日です」

検察官「(東京都)千代田区のビルですね」

証人「はい」

検察官「何人が参加しましたか」

証人「20人くらいです」

検察官「その後、新橋で飲み会が開かれましたね」

証人「はい」

検察官「(星島)被告もいましたか」

証人「はい」

平成20年5月16日は、星島被告が東城瑠理香さんを殺害して約1カ月後、逮捕される9日前にあたる。

検察官「被告は、すぐ、飲み会に来ましたか」

証人「はい」

検察官「『歯が痛いので、やめようかな』とは言っていませんでしたか」

証人「あ、言っていました」

検察官「飲み会では、女性が行方不明になった事件、つまり本件のことですが、被告は何か言っていましたか」

証人「はい。『自分の住むマンションでこんなことがあった』という話をしていました」

星島被告はビールなどを飲みながら、マスコミの取材に応じた話、警察が部屋の中を調べた話などを上司や同僚に披露したという。

検察官「被告は、事件に対する感想を何か言っていましたか」

証人「『怖い事件だ』とか『不可解だ』とか言っていました」

検察官「事件に対する、見立てのようなことは言っていませんでしたか」

証人「分かりません」

検察官「『あれは女の自作自演だ』とは言っていませんでしたか」

証人「あ、言ってました」

検察官「参加者の中で、被告に対し『犯人は君じゃないか』と言った人はいましたか」

証人「はい」

検察官「被告は何と答えましたか」

証人「『違います』と言っていました」

検察官「被告は『何を言ってるんだ』と言いませんでしたか」

証人「覚えていませんが、否定はしていました」

検察官「その時、被告の表情はどうでしたか」

証人「注意してみていたわけではありませんので…」

検察の質問に対し、上司は記憶をたぐるように天井を見上げた。上司は弁護側が申請した証人のため、検察側とは事前に打ち合わせをしていないとみられる。

検察官「では、被告に変わった様子はありませんでしたか」

証人「気付きませんでした」

検察官「被告を犯人とは思わなかったのですか」

証人「はい」

検察官「参加者で被告を犯人と思った人はいませんでしたか」

証人「『君じゃないか』というのは、冗談で言っただけだと思います」

ここで検察官が声を張り上げた。

検察官「あなたも、周りも、巧妙に被告に欺かれていたわけじゃないですか!」

証人「…そうですね」

検察官「そんな被告に対して、どう思うんですか」

証人「信じられません」

検察官「被告は信じられないほど巧妙に、あなたがたを欺いていたのではないんですか!」

上司は質問に答えることなく、静かに2回、うなずいた。これで上司に対する質問が終了し、約20分間の休廷に入った。開廷後は、瑠理香さんの母親が証言台に立ち、愛娘に対する思いを証言する。

⇒(12)手を合わせ、生存を信じて駆けつけた東城さんの母親 そのころ被告は…