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裁判員会見(1)「遺体が真実を語った」「証拠つき合わせ十分審議」 判決内容に自信

千葉県市川市のマンションで平成19年、英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われ、千葉地裁(堀田真哉裁判長)で無期懲役の判決が言い渡された無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判を担当した裁判員の記者会見が同地裁で行われた。8人すべて男性の裁判員のうち補充裁判員1人を含む7人が出席し、注目裁判の審理に参加した感想などを述べていった。

出席した裁判員1番は千葉市花見川区の40代の男性、裁判員2番は千葉市の50代の男性。裁判員3番は千葉県茂原市の40代男性。裁判員4番は60代男性。裁判員5番は30代男性。裁判員6番は50代男性。補充裁判員1番は松戸市の30代男性だ。裁判員たちは判決に至るまでの議論について振り返る。

裁判員2番「法廷に出た色々な証拠から議論を進め、最終的な判断をするところまで、ものすごい神経を使って、結論に至りました。結論に対しては自信を持っています」

裁判員4番「法廷の中で弁護側の証拠と部屋に残された証拠、どちらが正しいかを全員で長い時間協議した。証拠を付き合わせ、裁判員が十分審議しました」

裁判員5番「証拠は被告の供述を完全に否定できるものではなかったです。検察の主張について『その通りだ』といえる証拠も少なかったです。だが最終的にみなさんと議論を重ね、満足のいく答えが出ました。難しかったのは被告が語ることがグレーなことばかりだったことで、それを見極めることにストレスが発生しました」

判決では「殺意がなかった」「強姦時に暴行しなかった」などとする市橋被告の主張がことごとく退けられている。裁判員6番はそのような判決に至った理由を述べていく。

裁判員6番「裁判では密室の中のことを明らかにします。しかも被告しか語れません。しかし(リンゼイさんの)ご遺体が雄弁に語る部分がありました。被告の生の声より、ご遺体が真実を語ることがありました。被告だけの話しか聞けませんでしたが、被害者の“声”を聞いて、判断したと思っています」

記者「被害者参加制度で遺族が参加しました。遺族の言葉、法廷の様子を見て、判断に影響を与えましたか」

裁判員1番「被害者の立場からすると、良い制度です。参加は賛同できます」

裁判員1番は腕を組み、間を開ける。言葉を慎重に選んでいるようだ。

裁判員1番「今回、遺族が証言されている。そこで最高刑を望むとおっしゃっていました。家族として言いたいことを自分の声で伝えることが実現できたと考えています。判決への影響ですが、無期懲役の求刑を受け、どういう刑が考えられるかあらゆる可能性を検討しました。遺族が最高刑を望まれたことも検討した上で、今回の結論に至りました。ただ遺族の声で量刑への判断が動いた感覚は持っていません。あくまでも証拠などに基づいた判断が下されました」

裁判員2番「全く同じです。被害者の家族の感情を十分に聴き、全員でしっかり受け止めました。家族の証言、被告の証言など法廷で示された証拠をもとに、判断をしました」

裁判員5番「とても難しい質問です。被害者参加人は証言台に立ち、私たちに心の内を訴えかけてくれました。それを受け止めようという思いは心の中にありました。判断に影響があったかは分かりません」

裁判員6番「遺族の処罰感情が峻烈なのは当然です。量刑を決める上で、処罰感情は情状の要素の一つとして考慮しましたが、必要以上に感情を重要視して、その要素のみで量刑を決めたことはありません。適正に評価して、量刑が決まりました」

裁判員3番がうなずき、賛同する。

補充裁判員1番「小さいときから育ててこられた(ことが分かる)写真を見て、私は父親の立場として見て、(遺族の)気持ちが伝わってきました。しかし判断は左右されませんでした」

記者「裁判員はみなさん男性でした。女性が被害を受けた強姦を審議されましたが、性別が偏ったことについて意見、感想あれば教えてください」

裁判員1番が即座に挙手する。

裁判員1番「裁判官の1人は女性でしたから、さまざまな意見が語られる状況は保たれていました。性別がどうこうは何ら違和感はありませんでした」

裁判員3番「逆に全員が男性ということで、裁判員がランダム(無作為)に選ばれているのだと思いました」

記者「被告が正直に話していないという指摘がありましたが、具体的な場面があれば教えてください」

裁判員1番「遺体が示していることは、紛れもない事実。そこと整合性がとれない供述が、積み重なっていくとどうしても、『(市橋被告の供述が)どうなのかな』という印象を持ちました」

裁判員2番「同じです」

裁判員3番「具体的な場面といわれても、何カ所かあります」

裁判員4番「(現場や遺体の)状況と証言が一致する部分は少ないと思っています」

裁判員5番「肝心なところで『覚えていない』『分からない』と言われると、その部分に本当のことを知る鍵があるのかなと考えてしまいます」

裁判員たちから市橋被告への厳しい言葉が続く。

⇒裁判員会見(2)「無表情…「最後まで被告の考え読み取れず…」