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(4)供述への抵抗は「表現上の問題だった」

判決理由の朗読は、続いて鈴香被告の自白の任意性に移っていく。

鈴香被告や弁護側は、自白は「不当に長い身柄拘束を利用した取り調べ」「黙秘権の侵害」などを理由に任意性がないと主張してきた。しかし、藤井裁判長は、その主張を退けていく。

裁判長「(自白は)取調官が事件と向き合うよう(鈴香被告を)説得したからであり、供述調書も信用できる」「被告は彩香ちゃんのことを話すのを不安がっていたが、取調官が(手を差し出した鈴香被告の)手を握り返すなどし、(本当のことを話すよう)被告を励ました」

自白は取調官と鈴香被告の間に「信頼関係が生じたから」と裁判所は認定した。続いて鈴香被告が取り調べの際に実際に話した文言を羅列していく藤井裁判長。取調官と信頼関係が築かれていたことを実証することが目的のようだ。

裁判長「鈴香被告は『眠くて検事さんの話を聞くのに必死だった』『昨日の調べではキレてしまった』『昨日の調べのときチョコケーキ食べたいと言った』。被告は体調が著しく不良であれば通常しないであろう言動を見せていた」

鈴香被告が取調官との雑談に応じている様子が再現される。弁護側は「過酷な取り調べで鈴香被告は肉体的精神的にも疲労が蓄積されていた」と主張し、任意性を否定していたが、裁判所はそれを否定した格好だ。裁判長の朗読はさらに続く。

裁判長「弁護人は『(鈴香被告は)供述を無理やりやらされ、茫然(ぼうぜん)自失の状態で(供述調書に)署名した』と主張するが、(取調官と鈴香被告の雑談の様子などから)苛烈(かれつ)な取り調べでの供述とは考えられない。鈴香被告が(取調官に)反論できないほど茫然自失だったとは考えられない」

弁護人は、最終弁論で「植え付けられた検察官への恐怖から(供述調書に)署名した」と述べているが、裁判所はそれも認定しなかった。自白の任意性を争う弁護人の主張は次々と否定されていく。

裁判長「被告が(供述調書の)署名指印をためらい、訂正を申し立てたりしたのは、内容が真実でないという趣旨からではなく、表現が怖いとか、言葉が嫌だといった理由からだった」

裁判長は、供述調書を巡る鈴香被告の“抵抗”について、あくまで「表現上の問題だった」と断定。取調官の“捏造(ねつぞう)”を否定した。

裁判長の朗読は続いて、鈴香被告が取り調べの最中に腰痛を訴えていたことに及ぶ。弁護人は最終弁論で「腰の痛みを訴え休憩を申し出たが『休みたいなら署名しろ』と迫られた」と主張し、密室で行われた取り調べの苛烈さを訴えていた。

裁判長「被告が腰痛を訴えていたことは認められる」

裁判所は「腰痛の訴え」自体は認めた。

裁判長「しかし、被告はその後、留置所で小説を読むなどしており、(ひどい腰痛を訴えたにしては)理解困難な行動をしている。苛烈な取り調べがあったと考えられることではなく、(弁護人の主張は)信用できない」

⇒(5)彩香ちゃんへの殺意は瞬間的