(1)「一緒に遊んでいれば、彩香ちゃんは死ななかった」と豪憲君
秋田連続児童殺害事件で畠山鈴香被告の初公判は12日午後、証拠調べが行われた。午後1時27分に鈴香被告が入廷すると公判は再開。公判前整理手続きで弁護側が申請していた精神鑑定が採用されたことから、最初に鑑定人となった医師が宣誓を行った。
藤井俊郎裁判長は、鑑定人の経歴など確認の後、
(1)彩香ちゃんが橋から転落死した後の健忘の有無や、時期、程度、そのメカニズム
(2)豪憲君殺害にいたる心理状態
(3)豪憲君殺害、遺棄時における完全責任能力の存否−について鑑定をするよう要請した。
藤井裁判長は鑑定期限を11月末とした。
続いて検察側が、書証として関係者の供述調書を読み上げた。
「彩香ちゃん殺害当日の昨年4月9日午後6時半ごろ、殺害現場となった大沢橋で、おかっぱ頭の女の子を後ろから抱きかかえる母親を見た」とした彩香ちゃんの同級生の母親の供述を紹介。そのときに橋に止まっていた車のテールランプが鈴香被告の車と同一であったことなどを述べた。
また、米山豪憲君の母親の供述として、豪憲君が「自分が彩香ちゃんと遊んでいれば、彩香ちゃんは死ななかったのに」と話していたと陳述。少しでも鈴香被告のなぐさめになればと思い、彩香ちゃんが豪憲君らとシャボン玉で遊んでいるビデオを渡したことなどを明らかにした。