(8)「怒りスイッチ」にカレシ困惑

弁護人「Bさん(※女性の友人とみられる。法廷では実名)とも交流がありましたね?」
鈴香被告「はい」
弁護人「よく家に来たこともあったんですか?」
鈴香被告「家が近いので、Bさんが子供をつれてきた」
弁護人「一緒に外食したりもした?」
鈴香被告「そうですね、彩香はBさんの所もそうだが、一人っ子で育ったので当時、近所にも友達がいなくて、おもちゃの貸し借りができないと相談した」
弁護人「Aさんの話に戻るが、東京に行ってからメールのやり取りをしたか?」
鈴香被告「はい、最初はAさんが子供を置いて東京に行ったので、それを気にして、子供の会話はしないようにしていた。その後、Aさんの子供のことがちょっとでも聞こえてくると、教えたりした」
弁護人「勤めていたパチンコ店ではAさんが同僚ですが、恋愛していたCさん(※男性。法廷では実名)もいましたね。どういう交際をしていた?」
鈴香被告「会社は社内恋愛禁止だったから隠れて付き合っていた」
弁護人「途中から家に来るようになった?」
鈴香被告「はい」
弁護人「彼が来る時間に配慮は?」
鈴香被告「日にちは限定しないが、彩香が寝てから来てと言った」
弁護人「Cさんが彩香ちゃんと過ごすことは?」
鈴香被告「(付き合った)後の方では(あった)」
弁護人「Cさんは彩香ちゃんと何をしていた?」
鈴香被告「テレビゲームしたり、一緒に昼食を取ったり」
弁護人「彩香ちゃんはCさんをどう思っていた?」
鈴香被告「遊び相手ができたと思っていたと思う」
弁護人「Cさんと彩香ちゃんと3人で、浅虫や男鹿の水族館にいきましたね?」
鈴香被告「彩香はとても喜んでいた」
弁護人「普段とは違った?」
鈴香被告「普段よりもどっかにお出かけしてうれしがっていたと思う」
弁護人「例えば車の中ではどうだった?」
鈴香被告「彩香ははしゃいで、『お兄ちゃんの車にはテレビがついてるんだあ。見たい漫画があるから見てもいい?』とカーナビについて話していた」
弁護人「Cさんを招いて(鈴香被告の)実家に行ったことも?」
鈴香被告「普段から実家には来ていたが、最初に連れて行ったのは、私が手術することになって、そのとき(両親とCさんが)突然会ってびっくりしないように」
弁護人「手術とは」
鈴香被告「平成16年だと思うが、卵巣嚢腫(のうしゅ)という病気で手術した。そのときのこと。父母には交際している男がいると言ってはいたが、会ったことがないので、病院などで鉢合わせした時のことを考えて」
弁護人「あなたはCさんをどう紹介した?」
鈴香被告「『付き合っている人』と紹介した」
弁護人「両親はどうだった?」
鈴香被告「彩香をかわいがってくれるなら、交際を認めると」
弁護人「Cさんを実家に呼んでホームパーティーみたいなことをしたことも?」
鈴香被告「誕生日の時にした記憶がある」
弁護人「Cさんの実家に行って両親に会ったことはあるか?」
鈴香被告「何度か実家に行ったり、一度だけ外食したりしたこことも」
弁護人「結婚の話は出たか」
鈴香被告「いいえ」
弁護人「交際中とだけ? ゆくゆくは結婚するとは?」
鈴香被告「その場ではないです」
弁護人「あなたとCさんの間ではあった?」
鈴香被告「はい」
弁護人「いつ?」
鈴香被告「ちょっと思い出せません」
弁護人「結婚しないのはなぜ?」
鈴香被告「Cさんからまだ自分に自信がないと言われたし、Cさんの両親からいきなり子供の親になるのは大変と言われ、考えさせてくれと言われた」
弁護人「あなたとCさんで、どんな話をしていた?」
鈴香被告「特に話をしたことはないが、私は結婚するなら彩香と一緒にと考えていた」
弁護人「Cさんは養子にしようとか言ったことは?」
鈴香被告「具体的なことを言われたことはないが、やっぱり突然父親になることを考えていたなら、彩香も一緒と考えていたと思う」
弁護人「Cさんに愚痴や相談もしたと思うが、何でも相談した?」
鈴香被告「子育て以外はほとんど相談しました」
弁護人「Cさんはあなたの怒りのスイッチが入ると言っていたが、本当?」
鈴香被告「はい」
弁護人「そういう自分をどう思う?」
鈴香被告「自分が嫌でした」
弁護人「直そうとした?」
鈴香被告「直そうとしてもうまくいかず、Cさんにいつも意地悪なことを言ったり、きついことをいってごめんねと話した」
弁護人「Cさんは何て答えた?」
鈴香被告「『分かっているならいいよ』と」
弁護人「あなたの機嫌が悪くないときには何かしてあげた?」
鈴香被告「肩をもんであげたり、愚痴を聞いたり」
弁護人「Cさんの愚痴はどう?」
鈴香被告「ほとんど会社のこと…」
正午に午前中の質問は終了。鈴香被告は刑務官に手錠をはめられると、傍聴席に座る母と弟の方を一瞬見つめ、いったん法廷を後にした