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(6)祐輔さんの父「無期懲役、仮釈放なしを希望」

祐輔さんの父の意見陳述が続く。生前に息子が知人に伝えていた言葉を最近知った事実を明らかにする。息子の思いに言葉が詰まる。

祐輔さんの父「最近、息子の同僚がメールで教えてくれた(祐輔さんの)最後の言葉がある。『親には迷惑をかけて心配させた。負い目があって九州に帰る気が起きなかった。東京での生活がすべてだと思っていた。少しずつ年齢を重ねて、親孝行する気もわいてきた。これからは気軽に帰ることができる。自分が立派になった姿を見せられるようになった』」

「もう少しで幸せに届きそうだった。しかし、息子は白木の箱でしか帰ってこれなかった。息子は天国でこう思っているだろう。『お父さん、お母さんごめんね』」

入籍後、祐輔さんの父が初めて歌織被告と対面したのは法廷だった。

祐輔さんの父「入籍して以来、被告や被告の親族と会ったことがない。被告とは嫁としゅうとの関係。初めて顔を会わせたのが東京地裁。夢にも思わなかった。運命のいたずらでは片づけられない」

これまでの被告の法廷での様子を振り返り、怒りで言葉が震える。

祐輔さんの父「第1回(公判)で会って、息子はこの世にいないのに被告は平然としていることに、悲しみや憤りで言葉にならなかった。息子を殺害し、息子の血に染まった手で損壊する場面を想像するだけで、気が動転した」

「公判で被告の性格を垣間見ることができた。あくまで自分を正当化する態度に怒りを覚えた。被告は人生をなめきっている。人は地道に生活をしていることを根本的にわかっていない。うそで固めた人生、エゴで固めた人生、だめな生き方を選択していると思う」

祐輔さんの父には、被告が相手によって受け答えの態度を変えているように見えるようだ。被告は表情を変えずにいるが、祐輔さんの父とは目を合わせようとしない。

祐輔さんの父「6回目の公判では、それまで見せていた被告の態度が一変した。自分に有利な証言にはハンカチを取りだして涙を流し、不利な証言には怒りに狂った表情で証人をにらみつける。弁護人の質問には小さく涙声で冷静によどみなく話す」

「私自身、息子の事件ということを忘れる。何か別の事件を聞いている錯覚に陥る。これまではメモを取ることができなかったが、ノートを取ることができた。弁護人が、『暴力』という言葉を使った質問に被告がどう答えるのかが分かるようになった。弁護人が言わせているのが手に取るように分かった。淡々と話す被告に正直あきれた。平気で演技する被告に憤りを感じている」

この後、残された遺族としての思いを連ねる。被告は時折髪をかき上げるが、やはり表情は変えないままだ。

祐輔さんの父「被告が猟奇的殺人で息子を殺害したことを許さない。(祐輔さんが殺害されたとされる)平成18年12月12日午前6時を私たちは絶対忘れない。中世の日本は罪人の首を切るという刑罰を行った。息子は被告に何の罪で刑罰を受けたのか。息子はひとりっ子。被告が息子の命を奪ってしまったと同時に、私たち夫婦の人生も狂わせた。わが家は私の代で終わる。人が人の命を絶つことが許されてはいけない」

被告に対して厳しい量刑で臨むよう訴える。言葉はかすれ、絞り出すかのように声を出している。

祐輔さんの父「被告が法廷で言ったことは謝罪とは受け取っていない。自分の罪を息子になすりつけた。どのように矯正しようにも矯正のしようがない。夫婦の感情からすれば自分の命で償ってほしい」

「しかし、死刑は無理だろう。できるなら、息子の残りの人生50年を懲役してほしい。でも今の刑法ではこれも無理。被告を世に放つことは危険だ。無期懲役、仮釈放なしをお願いする。これならもし出てきても、年齢的に2度とこのような事件を起こすエネルギーは残っていないはずだ」

意見陳述はここで終了した。祐輔さんの父は傍聴席に一礼して自身の傍聴席に戻る。被告は祐輔さんの父に一礼したが、最後まで目を合わせることはなかった。

続いて河本雅也裁判長が、留保していた弁護側の証人申請について、次回期日で採否を決定することを告げた。

次回公判では、被告を鑑定した医師による精神鑑定結果の報告が口頭で行われる。医師による報告の期日は1度取り消され、延期になっているが、河本裁判長は「医師から医学的検査を尽くしたいとの報告があった」と延期になった理由を説明した。また、鑑定結果について医師は「弁護人が主張をしていない責任能力の問題点がある」と指摘しているという。次回は3月10日午前10時に開廷の予定だ。

⇒第9回公判