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(1)裁判長の苦言空振り「動機も行動も覚えていない」

秋田県藤里町の連続児童殺害事件で殺人と死体遺棄の罪に問われ、1審で無期懲役判決を受けた無職、畠山鈴香被告(35)の第3回控訴審が29日午前10時、仙台高裁秋田支部(竹花俊徳裁判長)で開かれた。今回は裁判所による被告人質問と、2軒隣の米山豪憲君=当時(7)=の父、勝弘さんに対する証人尋問が予定されている。

前回公判で行われた検察側被告人質問では、1審で「長女、彩香ちゃん=当時(9)=の水死について警察の再捜査を求めるため」としていた豪憲君殺害事件の動機について「どういう考えで事件を起こしたのかよく分からない」と述べ、彩香ちゃん事件時の状況も「いま頭にあることと食い違っている」と話すなど、1審の証言を後退させていた鈴香被告。

そのため、竹花裁判長は検察側被告人質問終了後、鈴香被告に対し「(これまでの)豪憲君殺害動機は全部うそなのか」「次回公判までに、もう一度考えてほしい」と苦言を呈していた。それを受けての今公判の裁判所側被告人質問。鈴香被告はどのような答えを導き出したのかに注目が集まっている。

この日の秋田市の予想最高気温は12度。入廷してきた鈴香被告は白のブラウスの上に白いセーターを着て、防寒対策を施している。

裁判長「緊張しないで、落ち着いてね」

緊張の様子がみえる鈴香被告に、リラックスするよう求める竹花裁判長。そのまま竹花裁判長が質問を始めた。

裁判長「前回公判の最後に、豪憲君を殺した動機についてもう一度考えてくるよう言いましたが、考えてきましたか?」

鈴香被告「ほとんど毎日のように考えています」

裁判長「豪憲君を殺したとき、どういう気持ちだったか思いだせましたか?」

鈴香被告「思いだすことが…できませんでした」

裁判長「当時の気持ちを思いだせないのですか?」

鈴香被告「はい」

裁判長「どういう気持ちで殺したのか、こうじゃないかと言えることは?」

鈴香被告「ないですけど…気持ちだけじゃなく、行動も覚えていないところがあります」

裁判長「なぜ覚えていないのですか?」

鈴香被告「よく分からないことがあります」

裁判長「そうですか。ふーん」

前回公判から2週間。「もう一度考えてほしい」と希望した竹花裁判長の願いもむなしく、動機のみならず、殺害の行動についても「覚えていないところがある」と言い出した鈴香被告。竹花裁判長はあきらめたのか、「ふーん」と言いながら、次の質問に移った。

裁判長「お母さんについて聞きます。あなたにとって、お母さんはどういう人? あなたの言葉で表現すると?」

鈴香被告「好きな人」

裁判長「それが一番ですか?」

鈴香被告「はい」

裁判長「ほかには?」

鈴香被告「…好きだけど、自分の気持ちすべてを伝えられるわけではない」

裁判長「彩香ちゃんを育てる相談も?」

鈴香被告「当時、何が悩みで、何が分からないのかも分かりませんでした」

裁判長「でも、彩香ちゃんにどうやって接していいかわからない、などと友達にメールしてるよね。そういうのも話せないの?」

鈴香被告「親だからこそ、自分の子供に対して汗のにおいが嫌とか、そういう気持ちを持っていることは知られたくありませんでした」

鈴香被告は彩香ちゃんの死後、自分がその死に関与しているにもかかわらず県警に事件として捜査するよう要求していた。これについて検察側は、物心両面で極度に依存していた母親が、溺愛(できあい)する彩香ちゃんの死に激しく動転、事件に巻き込まれて死亡したと騒ぎ立てたことに鈴香被告が同調せざるを得なくなったため、と主張している。そうしたことから、竹花裁判長は、母親との関係をもう一度確認したいようだ。

裁判長「お母さんは君のこと、よく知らなかったんじゃないかと思ったんだけど?」

鈴香被告「父よりは知っていたと思います」

裁判長「小さいときから、お母さんに捨てられたら生きていけないと思ったことは?」

鈴香被告「考えたことないです」

その後、竹花裁判長は、事件前の自殺未遂と、彩香ちゃんを置いて東京に出たいと思った時期の齟齬(そご)などについて質問していく。豪憲君殺害より前の話なのだが、鈴香被告はそれについては記憶が確からしく、雄弁に語っていく。

⇒(2)「人の迷惑を顧みない人たち」マスコミ批判は雄弁に