第3回公判(2012.1.13)

 

「結婚に夢を見ているように楽しそうだった」 被害男性の母親が証言

木嶋被告

 首都圏で起きた男性の連続不審死事件で、殺人や詐欺などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第3回公判が13日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で開かれた。前回に引き続き東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=の事件に関する審理が行われ、大出さんの母(77)が証人出廷し、大出さんについて「(結婚の話が進み)夢を見ているように楽しそうだった」と述べた。

 この日は、大出さんに結婚をほのめかし現金約470万円をだまし取ったとされる詐欺事件に関する証拠調べが行われた。2人が結婚を約束していたことを立証するため、大出さんの母が検察側証人として出廷。大出さんの母は「(大出さんが)『住む場所はどこがいいかな。式はどこでしようかな』と話していた」と証言した。

 弁護側は初公判で、大出さん詐欺事件について「現金を受け取っておらず、当時、(木嶋被告は)本当に結婚する気があった」と主張している。

 起訴状などによると、木嶋被告は21年7月、結婚をほのめかし大出さんから学費名目で現金470万円をだまし取り、同年8月には大出さんを睡眠薬で眠らせた上、埼玉県富士見市の駐車場に止めた車の中で、練炭を燃やして殺害したなどとされる。

⇒事件前後の経済状況説明 連続不審死で検察側