第15回公判(2012.2.3)

 

寺田さんのパソコン「なくなった」と姉が証言 検察、証拠隠滅を指摘

木嶋被告

 首都圏で起きた男性の連続不審死事件で、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第15回公判が3日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で開かれ、東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん=当時(53)=殺害事件に関する審理がほぼ終了した。この日は木嶋被告の事件後の行動について審理が行われ、検察側は証拠隠滅のために木嶋被告が寺田さんのパソコン2台を処分したと指摘した。

 この日はパソコン回収会社の役員が出廷し、木嶋被告からパソコンとノートパソコン各1台の処分依頼を受けたと説明。その上で、役員は「平成21年1月31日に被告から発送されたパソコンとノートパソコンを2月2日に受け取り、処分した」と証言した。

 その後、寺田さんの姉が証人出廷。姉は同年2月7日と11日に、寺田さん宅で遺品整理した際の出来事を尋ねられ、「弟のパソコンとノートパソコンがなくなっていた」と証言した。検察側は、木嶋被告が犯行後に寺田さん宅からパソコン2台を持ち出し、証拠隠滅を図ったと指摘した。

 一方、弁護側は、役員への反対尋問で「どのようなパソコンを処分したかはわからない」という供述を引き出し、木嶋被告が処分依頼したのは寺田さんのパソコンでない可能性を指摘した。また、「21年の練炭年間生産量は777万3818個」との報告書も提示。練炭は誰でも入手でき、寺田さんが自分で買った可能性があると主張した。

⇒第16回公判