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加藤被告に死刑求刑 「史上まれにみる重大犯罪」と検察

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大被告(28)の論告求刑公判が25日、東京地裁(村山浩昭裁判長)で開かれた。検察側は「無差別通り魔殺人事件と称される中でも最大の被害を出した犯罪史上まれにみる重大犯罪」と指摘、7人の命を奪った責任の重大さを強調して死刑を求刑した。

 加藤被告は起訴内容を認めているが、弁護側は「母親の不適切な養育が人格に影響を与えた」として、刑の減軽を求めている。これに対し、検察側は完全責任能力はあったと主張していた。

 これまでの公判で加藤被告は犯行の動機について「本音を言える大切な場だったインターネットの掲示板にわたしに成り済ます偽者や嫌がらせがあり、人間関係を乗っ取られ、奪われた」としたうえで、「事件を起こしたことを報道を通じて知ってもらい『嫌がらせをやめてほしい』と言いたかった」などと述べた。

 起訴状によると、加藤被告は平成20年6月8日、東京・秋葉原の交差点にトラックで突っ込み、3人をはねて殺害。さらにダガーナイフで4人を刺殺したほか10人にけがを負わせた、などとしている。

 2月9日に弁護側の最終弁論と加藤被告の最終意見陳述が行われ結審。判決は春ごろ言い渡される見込み。

⇒加藤被告死刑求刑にも無表情