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(4)「自殺未遂、朝までなだめた」…元カレ目で追う鈴香被告

続いて、弁護側は畠山鈴香被告(34)の生活態度や、彩香ちゃんへの虐待の有無について尋問を始めた。

弁護人「被告人が家財道具などを壊した記憶はあるか?」

証人「家の中では見たことがない」

弁護人「彩香ちゃんの体に傷を見たことはあるか?」

証人「裸を見たわけではないが、顔にはなかった」

平成17年5月のゴールデンウィーク中、鈴香被告が睡眠薬を飲み、自殺未遂を図っていたことが明らかになった。

証人「夜中に家に行くと、鈴香はぐったりして『死のうと思ってためていた薬を飲んだ』と話した。彩香ちゃんにあてた封筒があり『10年後の彩香へ』と書いてあった。『彩香ちゃんを残して死んではいけない』と翌朝までなだめた」

さらに、弁護側は事件直前の鈴香被告の様子を確認した。

弁護人「(鈴香被告が彩香ちゃんを殺害したとされる直前の)18年4月9日午前0時ごろ、被告人から最後の電話がかかってきたというが、何か感じたか?」

証人「異変は感じなかった」

弁護人「鈴香被告が彩香ちゃんを殺害したと思うか?」

証人「思いたくはないが『もしかしたら』という思いもないわけではない」

最後に裁判官が質問した。

裁判官「彩香ちゃんが死亡した際、被告人がもしかしたら犯人と思いましたか?」

証人「それは思わなかった」

法廷は正午すぎに休廷に入った。

かつて交際していた証人が退廷する際、鈴香被告は証人の顔をずっと目で追い続けていた。

だが、男性が顔を背けたまますれ違うと、鈴香被告は不満げに視線を床に落とした。

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