第22回公判(2012.2.16)
「命で償って」 遺族が意見陳述
首都圏で起きた男性の連続不審死事件で、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第22回公判が16日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で開かれた。この日は情状面に関する審理が行われ、東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=の母は「(木嶋被告には)命で償ってほしい」と訴えた。
この日、検察側は遺族の手紙を朗読。東京都青梅市の寺田隆夫さん=当時(53)=の姉は、手紙の中で「お金を取っていることが露見しそうになると、相手を消そうとしたのでしょうか」と記し、「そのような行為は許される行為でない。(木嶋被告は)許されるべき人でない」と断じた。
また、検察側は千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=の長男の「火災で父の命を失った喪失感は表現できない。(木嶋被告には)真相を話してもらいたい。適正な処罰を求める」という内容の書面も読み上げた。
その後、検察側証人として出廷した大出さんの母は、大出さんの生い立ちなどを説明し、「母の日にはエプロンをプレゼントしてくれる優しい子だった」と述べた。その上で「できることなら嘉之に生涯を全うしてもらいたかった。こんな理不尽なことがあるものなのか。自分が身代わりになりたい」と述べ、「(被告には)自分のしたことに責任を持ち、自分の命で償ってほしい」と声を震わせながら訴えた。