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「許すことできない」遺族、涙の意見陳述

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員加藤智大被告(28)=青森市出身=の第25回公判が11日、東京地裁(村山浩昭裁判長)であり、遺族の意見陳述が行われた。ナイフで刺され亡くなった調理師松井満さん=当時(33)=の父親が証言台に立ち、「平成20年6月8日という事件発生日を境に、わが家の時は止まったまま。私も心に傷を負った被害者であり、一生事件を忘れることはできない」と涙ながらに訴えた。

 父親はあらかじめ用意した書面を見ながら「あの日を最後に、息子はもう戻ってこない。自分の誕生日が息子の火葬した日と重なり、何と無情なことかと運命をのろった」「息子の苦痛を同じように味わわせてやりたいが、今はもうできない。この無念さを誰に、どうやってぶつけたらいいのか」などと声を震わせ、やり場のない怒りをにじませた。

 また加藤被告に「加藤よ、君はボタンの掛け違いをしてしまったのだ」と語りかけ、「人は多くの人間関係の中で生かされていることに気づいてほしかった」と述べた。

 公判での被告の様子にも触れ「じっとやりとりを聞き、ノートにメモ。涙ぐむことも、時には(昔の話題に)ほほ笑むこともあった。さまざまなしぐさを通して、君の人柄が次第に見えてきた」としつつ、「社会への不満が爆発して犯行に至ったのだろうが、動機の本筋がどうであろうと決して許すことはできない。君は私を含め、多くの人の人生を変えた。死ぬまできちんと反省するのが、今後の生き方だ」「法の裁きを真摯(しんし)に受け止め、判決に従うことを望む」と訴えた。

 廷内には被害者遺族をはじめ、一般の傍聴者からすすり泣く声が漏れた。被告はメモをすることなく、じっと前を見詰めたまま。陳述が終わると視線を松井さんの父親の方に向け、そっと頭を下げた。

 また松井さんの母親や、亡くなった別の男性の母親の供述調書が検察側から読み上げられた。「絶対死刑にしてほしい」「時間を巻き戻して、息子を返してくれ」などと朗読された。

 村山裁判長は同日、弁護側請求の精神鑑定医の証人尋問を行うことを決めた。再鑑定請求はすでに却下されており、弁護側は情状面の立証を行う。

 次回公判は12月7日。再び遺族の供述調書の読み上げや、意見陳述が行われる。

⇒第26回公判