救護の男性が出廷
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大被告(27)の第11回公判が1日、東京地裁(村山浩昭裁判長)で開かれた。当日、現場付近を通りがかり被害者の救護にあたった男性が出廷した。事件後に救護した被害者が死亡したことを知ったという男性は「悔しいです」などと述べた。
男性は事件当日、買い物のために現場付近を訪れた。トラックが交差点に進入し「ドン、ドン、ドン」と物音が聞こえた後、「交差点の人だかりが津波のように逃げ出して交差点が静かになった。血だらけになって倒れている人が何人か見えた」と証言した。
その後、「誰か、誰か」と近くでうめいていた男性被害者にかけより、刺された腹をタオルで応急処置した。しかし、被害者の意識は徐々に遠のいていき、救急車で搬送されたという。男性はその晩、ニュースで被害者が亡くなったことを知った。
男性は、当時を振り返り、「病院まで(亡くなった被害者に)付き添わなかったことで、自分を責めている。家族や恋人だったら絶対について行ったのに」などと言葉を詰まらせた。