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(2)「ちょろいから任せとけ」「自首取り消せ、家族殺したる」

女性検察官は冒頭陳述の読み上げを開始した。蒔田被告が平成15年に大学に入学したことなど簡単な身上経歴を述べた後、まず、共犯者の女との関係から説明を始めた。

検察官「被告人は両親と京都に居住しておりましたが、1月下旬ごろ大阪・道頓堀で女に声をかけて知り合い、2月14日ごろまで同居しておりました」

出会ってすぐに同居を始めるという経緯は不可解だが、検察官はさらっとしか述べず、詳しい経緯はここでは明らかにされなかった。冒頭陳述は事件の内容に移り、検察官は時系列に沿って美人局事件の説明を始めた。

検察官「1月30日ごろ、被告人は女に対し、路上で男に声をかけて美人局をすることを持ちかけました。しかし、女が『路上ではできない』と断ったことから、出会い系サイトを使った美人局を持ちかけました」

「女が『知っている出会い系サイトとネットカフェがある』と話したため、ミナミのネットカフェへ2人で行き、チャットをしました。女は、そのチャットに入ってきた被害者の男性と会うことを取り付けました」

検察官が語る経緯からは、この時点では女も積極的に犯行に加担していることがうかがえる。

検察官「被告人は女に『どこか喫茶店で待ち合わせたら、近くの駐車場に車を止めるやろ。喫茶店から出てきたら駐車場でボコって金出させる』などと話し、被告人が被害者の後をつけて殴り、金を取る役割分担を決め、女も承諾した。この時点で事前の共謀は成立しました」

「被告人は女に対し、駐車場に着くまでに被害者から財布をスリ取ることを計画し、それができなくても財布がどこにあるかを確認することを申し合わせました」

膝(ひざ)をきちっと閉じたまま弁護人席の前の長いすに腰掛け、目を泳がせる蒔田被告。

検察官「女は喫茶店に入り被害者とメールでやりとりしながら待ち合わせ、会ってしばらく話をした後、2人で駐車場へ向かいました。被告人は被害者が車の運転席を開けるときに『おまえ誰やねん。おれの女に手を出しやがって』などと暴行を加えました」

「たまたま通りかかった通行人の女性が『もうやめたり。お金で解決するんか』などと話して1万円を出したため、現場から逃走しました。男性は肋軟骨損傷などのけがを負いました」

美人局についての朗読が終わり、検察官は痴漢でっち上げ事件の朗読に移った。

検察官「被告人は痴漢犯人をでっちあげて示談金名目で金を取ることを計画し、女に話した」

「被告人は『きょう痴漢やろか』と持ちかけました。女には『ちょろいから、おれに任せとけ。おれが目撃者の好青年演じるから。気の弱そうなおっさん狙え。適当な距離を保って、なんやったら自分から肩触れるぐらいの距離で。そしたらおれが目撃者になったる。あとはおれに任せとけ』と伝えました」

事前に証拠隠滅も計画した周到な犯行だったことも明らかにされた。

検察官「犯行前、被告人は2人が知り合いとばれるとまずいからと、お互いの携帯電話の通話履歴やメール記録を削除することを申し合わせ、削除しました」

検察官の読み上げが淡々と続く。

検察官「被告人は『スカートの方が色気ある。痴漢にやられやすい格好や』と言って、スカートをはかせました」

「午後8時ごろ、女の自宅を出た後、一定の距離を取りながら2人は歩き、心斎橋から地下鉄御堂筋線に乗り、女は被害者の男性に近づきました。被告人は『見ましたよ。触りましたね』と声をかけました。その後、天王寺駅駅長室で本件犯行に及びました。その後、女の自首で本件が発覚しました」

犯行発覚のきっかけとなった仲違いの状況が、検察官から明らかにされた。

検察官「自首を聞いた被告人は『ふざけるな。おれは自首なんかせえへん。鬱(うつ)になってあんなおかしなこと言ってしまいましたと取り消してこい。ばれたらおれ刑務所やんけ。そうなったら家族もみんな殺したる。自首取り消してこい』などと罵倒(ばとう)した」

⇒(3)「アイデアは女が出した」共犯者に罪なすりつけ