(6)最初の嫌がらせは…「ミニスカートがない!」

咲被告への被告人質問は、絵里子さんとの関係について進む。質問に答える声は小さく、肩が小刻みに震える。
弁護人「(絵里子さんは)18年12月に来た(同居を始める)が、どんなかかわり方だった?」
咲被告「…」
弁護人「妹が来たとき、財布からお金がなくなることがあった?」
咲被告「はい」
弁護人「いつ?」
咲被告「平成18年10月26日」
弁護人「どうして覚えている?」
咲被告「自分でカレンダーに書き込んだ」
弁護人「なぜ?」
咲被告「金がなくなったから」
金額について質問を続ける弁護側。咲被告はしっかりと答えられず、首をひねる。うつむき、体を震わせたままだ。
弁護人「いくら?」
咲被告「…」
弁護人「数万円?」
咲被告「…」
弁護人「だいたいで?」
咲被告「…」
裁判長「大きな声で。金額は?」
咲被告「覚えていないんですけど…」
弁護人「1万円よりちょっと上?」
咲被告「…」
弁護人「それくらい?」
咲被告「はい」
弁護人「妹さんがやったのを見た?」
咲被告「直接は見ていない」
弁護人「(そうであれば)どうして(絵里子さんが)妹さんがやったと?」
咲被告「主人が…。お金を…」
業を煮やし、弁護側が言葉を導く。
弁護人「妹さんは、同居前からお母さんからお金を借りていたから?」
咲被告「はい」
弁護人「それでどうした?」
咲被告「黙っていた」
弁護人「困っていたんでしょ?」
咲被告「はい」
弁護人「主人の妹だったので言えなかった?」
裁判長「被告人に妹がいるようなので、被害者という言い方に統一してください」
弁護人「あなたは思っていることを言えない性格?」
咲被告「はい」
弁護人「(気持ちを)ため込んでいた?」
咲被告「はい」
弁護人「被害者が富士見(町)の家に来たのはその年(18年)の12月ごろ?」
咲被告「はい」
弁護人「どうして?」
咲被告「付き合っていた男の人と別れたので」
弁護人「別れたから?」
咲被告「はい」
弁護人「絵里子さんが戻ってきたが、あなたはどこに住んでいた」
咲被告「2階に」
弁護人「お母さんは1階?」
咲被告「はい」
弁護人「2階はもともと絵里子さんの部屋?」
咲被告「はい」
弁護人「絵里子さんは戻ってどこに?」
咲被告「主人の母と一緒に」
弁護人「2階を使っていることで文句を言われたことは?」
咲被告「特にない」
弁護人「後になっては?」
咲被告「はい」
弁護人「いつ?」
咲被告「19年の7月16日」
平成19年7月16日、咲被告は夫、長女と一緒に、近所へ引っ越した。
弁護人「何と言われた?」
咲被告「…」
弁護人「『荷物を全部持って2階から出て行け』と?」
咲被告「はい」
弁護人「妹さんが来てから最初の嫌がらせは?」
咲被告「…」
弁護人「ミニスカートがなくなったのをあなたのせいにされたのでは?」
咲被告「1月に…」
裁判長「いつ?」
弁護人「何年? 19年?」
咲被告「はい」
弁護人「同居してすぐ?」
咲被告「はい」
咲被告はマイクに口を近づけるが、言葉が出てこないことが多くなった。弁護側はますます念を押すようになった。
弁護人「誰から聞いた?」
咲被告「主人の母から」
弁護人「何と?」
咲被告「『スカートがない』と」
弁護人「『あなたのせいじゃないか』とは言われたか?」
咲被告「直接は言われていない」
弁護人「言われたのは?」
咲被告「5月の話し合い」
弁護人「お母さんを交えて2回話し合っている、5月と7月?」
咲被告「はい」
弁護人「5月の19日?」
咲被告「はい」
弁護人「5月19日と7月16日?」
咲被告「はい」
弁護人「『あなたがやったんだろう』と」
咲被告「妹から言われた」
弁護人「何と?具体的に」
咲被告「…」
弁護人「『おまえだろ』と?」
咲被告「はい」