(5)憎しみ爆発「今日こそは殺してやる」 被告人質問始まる

証拠調べが続く。検察側は咲被告の供述調書を朗読した。
検察官「(平成19年11月)7日の午前中、合鍵で絵里子さんの家に入り、たんすを探して、(外された表札の)ネームプレートを見つけた。『表札から外したのは絵里子ちゃんだ』と思った。感情は高ぶり、『嫌がらせで抜いた』と思い、財布や服、携帯電話がなくなったのも、自分で隠す自作自演をしていたんだと思った」
淡々と読み上げる検察側だが、殺害の動機となった「憎しみ」が鮮明に浮かび上がる。
検察官「憎しみが爆発し、許せないと思った。『今日こそは殺してやる』。この日殺すことを決め、プレートを財布に入れた」
続いて検察側は咲被告の心情について調書を読み上げた。
裁判長「(争点となっている)自首調書は作成していない?」
検察官「はい。(事情聴取で)刑事さんに疑われて、うそをついているのが苦しくなり、殺したと話した」
続いて、弁護側の被告人質問が行われた。証言台に向かう咲被告は茶色の小さなタオルを両手でぎゅっと握りしめた。
裁判長「できるだけ大きな声で話すように努力してください」
弁護人「今の体調は、事件前と比べてどうだ?」
咲被告「今の方が…」
咲被告の声は小さい。マイクを口元まで近づけるが、裁判官らも聞き取りづらいのか、耳を咲被告の方に向けた。
弁護人「逮捕される前の方が不安だった?」
咲被告「はい」
弁護人「旦那さんとは長野市の専門学校で知り合った?」
咲被告「はい」
弁護人「その後、飯山市内で就職?」
咲被告「はい」
弁護人「婚姻はいつ?」
咲被告「…」
弁護人「平成16年7月?」
咲被告「はい」
弁護人「その後仕事を辞めてどんな生活に?」
咲被告「アパートに…(引っ越した)」
弁護人「16年7月?」
咲被告「はい」
弁護人「子供はいつ生まれた?」
咲被告「17年1月」
弁護人「子供と3人で生活していた?」
咲被告「はい」
弁護人「富士見(町)の家に引っ越したのは?」
咲被告「…」
弁護人「子供が生まれた次の年?」
咲被告「18年」
弁護人「18年7月?」
咲被告「はい」
弁護人「(夫の)お母さんと長女の4人暮らし?」
咲被告「はい」
弁護人「楽しかった?」
咲被告「はい」
弁護人「どんなところが?具体的に」
咲被告「…」
弁護人「お母さんとはうまくやっていた?」
咲被告「はい」
弁護人「家事はあなたが?」
咲被告「はい」
弁護人「お母さんは何を?」
咲被告「仕事」
弁護人「旦那さんは働いていた?」
咲被告「はい」
弁護人「食事や洗濯などをしていた?」
咲被告「はい」
弁護人「洗濯はきっちりたたまないと気が済まない性格?」
咲被告「はい」
弁護人「買い物の基準は?」
咲被告「安いところで買う」
弁護人「チラシとかを見比べて?」
咲被告「はい」
弁護人「掃除は?」
咲被告「きっちりやっていた」
弁護人「毎日家全体を掃除していた?」
咲被告「はい」
弁護人「気が済まない?」
咲被告「はい」
弁護人「絵里子さんは一緒に生活していない?」
咲被告「はい」
弁護人「何をしていた?」
咲被告「…」
弁護人「他の人と住んでいたと聞いていた?」
咲被告「はい」
「はい」という答えが多い咲被告。弁護側は念を押すように質問を続けていく。