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(8)「妻がポルノ雑誌をみつけて怒っただけ」と祐輔さん

歌織被告と祐輔さんの夫婦生活についての質問が続く。歌織被告は声は小さいながらも、はきはきした様子で話し続けた。質問は、歌織被告が警察に通報したときのことに。

弁護人「平成18年2月か3月ごろ、あなたは警察に連絡したのか」

歌織被告「はい」

弁護人「原因は」

歌織被告「彼がいないときに、クローゼットを調べたことが原因で、暴力を受けたから」

弁護人「どんな暴力か」

歌織被告「押し倒されて…」

弁護人「暴力を受けてどうした」

歌織被告「とりあえず暴力が収まって、しばらくして普通を装って自宅を出て、実家に電話して、『5分たって私から連絡がなかったら通報して』といった。そうしたら、しばらくして代々木交番の警察官が来た」

弁護人「警察が来て、祐輔さんの反応は」

歌織被告「警察官に向かって、『妻が私のクローゼットからポルノ雑誌を見つけて怒り出しただけだ』と言っていた」

弁護人「警察官はどうした」

歌織被告「警察官は彼の話を信じて帰った」

弁護人「その後、祐輔さんはあなたに何か言ったか」

歌織被告「『お前のやろうとしていることは分かっている。どこに逃げようとしているかも分かっているし。全部無駄なんだよ』と」

ここで、祐輔さんがいったん家を離れたときの話題に移る。

弁護人「このころ、□□さん(当時の祐輔さんの同僚の女性)が来たのか」

歌織被告「そのころ、とにかく私が彼に『離婚してくれ』というと暴力を振るわれた。彼の女性問題を理由に家から出ていってもらおうと考えたが、私1人だとまたやられてしまうことは分かっていたので、来てもらうことにした」

弁護人「どんなやり取りがあった」

歌織被告「□□さんは彼に『これだけ暴力を繰り返すのは、あなたの心の問題ではないか』と。(祐輔さんは)なぜか独りになることを怖がっていたが、『いい加減、ここらで独りになってみては』と説得され、夜中過ぎにやっと出ていった」

弁護人「その後、祐輔さんはどうした」

歌織被告「1週間後に家に戻ってきて、『(不倫していた)女性とはもう別れた。申し訳ない』と謝った」

弁護人「それで」

歌織被告「私は『嫌だ』といったが、『ここはおれの名義で借りてるんだ』と話し始めた。そして、『(祐輔さんが)今後、暴力を振るったら出ていく』ということを約束した」

午前11時53分、弁護側の被告人質問はいったん終了した。祐輔さんとの夫婦生活や追いつめられた心境を語った歌織被告。はれぼったい目で、時折、はなをすすりながら証言台から被告人席に戻ると、遺族のいる傍聴席に目をやることもなく、退廷していった。公判は休憩をはさみ、午後1時半から再開される。

⇒(9)「誕生日は離婚の目標日」