第5回公判(2012.1.17)

 

犯行当日に着火剤購入 検察側、事前準備を立証方針

木嶋被告

 首都圏で起きた男性の連続不審死事件で、殺人と詐欺などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第5回公判が17日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で開かれ、東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=の事件に関する審理が引き続き行われた。

 この日は、殺害準備や犯行当日の状況に関する証拠調べが行われた。検察側は、木嶋被告の処方歴をまとめた表を朗読。平成21年7月6日に睡眠薬14錠、犯行2日前の同年8月3日に同21錠を処方されたと説明。また、犯行前に練炭などを購入していたとして、ネット通販の購入歴が書かれた表と、犯行当日の8月5日に木嶋被告のクレジットカードで着火剤を購入したレシートを証拠として提示した。検察側はこうした証拠で、木嶋被告が事前に準備した上で犯行に及んだことを立証する方針だ。

 弁護側は初公判で、「大出さんは、木嶋被告に別れを切り出されたことから、自殺した可能性がある」と無罪主張をしている。

 起訴状などによると、木嶋被告は21年7月、結婚をほのめかし大出さんから学費名目で現金470万円をだまし取り、同年8月には大出さんを睡眠薬で眠らせた上、埼玉県富士見市の駐車場に止めた車の中で、練炭を燃やして殺害したなどとされる。

⇒殺害1カ月前に練炭準備 検察側指摘