第32回公判(2012.3.5) 【被告人質問】

 

「セックス到達点、共有できない」

木嶋被告

 別れた原因の一つは性交渉の不一致―。練炭自殺に見せかけ交際男性3人を殺害したとして殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判第32回公判が5日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で開かれた。

 検察側は被告人質問で、09年8月に殺害したとされる大出嘉之さん(当時41歳)と事件当時のやり取りや行動などについて追及。木嶋被告は、大出さんとの別れ話の原因なども赤裸々に話した。

 検察側は、大出さんと別れ話になった経緯について、証言とメールの矛盾点などを追及した。09年8月6日、大出さんは埼玉県富士見市の駐車場でレンタカー内で遺体で発見された。

 事件当時の出来事については「覚えてません」「分かりません」を連発した木嶋被告だが、大出さんとの別れ話に至った経緯については、言葉を選びながら、詳細に証言した。

 木嶋被告は、大出さんとの性交渉の不一致が別れた原因の一つと主張。結婚サイトで出会ってから10日後となる同7月23日、初めて性交渉に及んだが、「私がセックスで到達点と考えている世界を共有することができない」などと振り返った。

 検察側から「到達点とは?」の意味を聞かれ、「う〜ん」と言葉を濁し、考え込み、「セックスにおいて、長時間快感が持続すること。トランス状態で私をオーガズムに導き、トリップすること」と早口に答えた。

 「これでは夫婦生活は難しい」「大出さんは風俗に通い、私とは逆の思想」とも述べた。

⇒遺族に対して「誤解している。真実を知って」