第17回公判(2012.2.7)

 

デートで計4回意識失う

木嶋被告

◇検察側「睡眠薬の中毒」/弁護側「発作の可能性」

 首都圏の連続不審死事件で殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第17回公判が7日、さいたま地裁であった。不審死した安藤建三さん(当時80)は木嶋被告とのデート中、4回意識を失っており、その原因について検察側と弁護側の専門医がそれぞれ見解を明らかにした。

 意識喪失の安藤さんが見つかったのは、(1)温泉ホテルのベッドのすき間(2008年10月)(2)東武野田線の車内(同12月)(3)自宅の4畳半の物置場(09年3月)(4)自宅で入浴直後(同4月)。これらの原因が、脳梗塞(のうこうそく)の前兆の発作だったかどうかが争点になった。

 検察側は「木嶋被告が睡眠薬を飲ませた」と主張する。安藤さんの主治医は、供述調書の中で「脳梗塞や発作の可能性はない」としている。

 公判には脳神経外科病院の院長が出廷し、「発作で意識障害にはならない。睡眠薬による中毒が原因」と推定。睡眠薬の服用に伴い、もうろう状態になり「敵意がない人の指示に従順になる」とも話した。

 これに対し、弁護側は「木嶋被告が睡眠薬を飲ませたことはない。発作が原因」と反論している。

 その根拠として、脳神経外科医の「安藤さんは脳の血管が細くなっており、発作の可能性は否定できない」という供述調書を朗読。さらに安藤さんが初めて意識を失った直後の脳検査で、古い脳梗塞の痕跡が見つかったことなどを挙げ、4回とも発作で倒れたと推定した。

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