第2回公判(2010.9.6)

 

(7)ロス同行の別の親密女性「エクスタシー」勧められ、「体がふわっと…」

押尾被告

 保護責任者遺棄致死など4つの罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)の裁判員裁判第2回公判は、過去に押尾被告と違法薬物を使用してセックスしたとされる女性証人への弁護人質問が続く。

弁護人「押尾被告から2回メールをもらったと説明していますね」

証人「はい」

弁護人「携帯にそのメールは残っている?」

証人「残っていません」

弁護人「警察側から消えたメールを復元したとか、復元したメールの中にあなたのメールがあったとか聞いていますか?」

証人「聞いていません」

弁護人「押尾被告から『あれいる?』と書かれたメールを2回もらったと証言していますが、その通りですか」

証人「そうです」

 尋問は、証人が別室で答えるビデオリンク方式だ。女性弁護人と証人の間で、警察の調書と法廷内での証言内容で時期の整合性などを確認するやりとりが交わされる。

弁護人「2回薬を使わないかという誘いのメールがあったが、あなたは2回ともいらないと断った」

証人「はい」

弁護人「2回ともメールの後に押尾被告と会っていますね」

証人「はい。私の自宅で会っています」

弁護人「(最終的に会って)薬を飲んだときに見た薬は白っぽいものだった」

証人「はい」

弁護人「押尾被告と一緒に飲んだのですか」

証人「どっちが先に飲んだかまでは覚えていませんがそうです」

 女性弁護士は、薬物を飲んだ際の状況について尋問をするが、ビデオリンク方式のためか意図がなかなか伝わらず証人が聞き返す場面が目立つ。

弁護人「体に異変が起きて歯を食いしばったとか歯ぎしりをしたとか調書で説明していますが、はっきりと覚えていますか」

証人「警察か検察のどちらでしゃべったとか、時期について正確に覚えていません」

弁護人「警察から薬物の説明を受け、薬物の写真の中から見た物と似たような物を選ぶように言われましたね」

証人「はい」

弁護人「その時に似たような物がない場合もあるといった説明を受けましたか」

証人「少し意味が分かりません」

 女性弁護人と証人の間で尋問がかみ合わず、山口裕之裁判長が「その辺でよろしいのでは」と尋問内容の変更を求めた。再び、押尾被告と証人が薬物を使用した際の話に戻る。

弁護人「(薬物を使用する前に)押尾被告からMDMAという説明はありましたか」

証人「ありません」

弁護人「エクスタシーとか違法ドラッグだとかいう説明は?」

証人「ありません」

弁護人「薬物を使用して気分が悪くなったことを押尾被告に伝えましたか」

証人「伝えましたが、いつだったかは覚えていません」

 押尾被告と証人が交際にいたった経緯などが説明され、7月30日に2人が交換したメールの一部が証拠提出された。

弁護人「押尾被告から『無視しないでね』というメールを受け取った後、『無理はしない。来週連絡してね』と返信していますが、『無視』と『無理』でかみ合ってないと思いますが、わざとですか」

証人「単純な変換ミスです」

弁護人「操作後も気づかずに送ったということですね。錠剤はナイフで砕いていたと証言していましたが、硬い錠剤だった?」

証人「おそらくそうだと思います」

 弁護側が尋問を終えた後、検察側が山口裁判長に尋問の許可を求めた。

検察官「1つだけ。錠剤をもらって押尾被告がナイフで砕いて(薬物は)硬そうだったといっていましたが、あなた自身が確かめましたか」

証人「確かめていません」

 再び、女性弁護人が割って入ろうとするが、発言許可を求めていなかったため、裁判長が「ちょっと何しているんですか」と女性弁護人をたしなめた後、発言を許可する。

弁護人「あなたが錠剤を飲んだ時間は何時ぐらいですか」

証人「夕方だったと思います」

弁護人「部屋に照明は?」

証人「ついていたと思います」

弁護人「白か青色かはっきり覚えいていますか?」

証人「はい」

弁護人「終わります」

 弁護人の尋問後、向かって左側に座った男性裁判員が質問を始める。

裁判員「一度錠剤を飲んですぐに効かなかったと言っていましたが、追加でどのくらい飲んで、どのぐらいで体に症状が出たのですか」

証人「2度目に同じぐらいの量を飲んでから、体の中からじっとしていられないようなものを感じました」

 続いて、右側の男性裁判官が質問をする。

裁判官「20年夏、7月に自宅で押尾被告と何をしましたか」

証人「セックスをしました」

裁判官「会う前からするつもりだった?」

証人「はい」

裁判官「押尾被告もそのつもりだった?」

証人「はい」

裁判官「会うときはいつもセックスをしていた?」

証人「はい」

 午前11時50分、裁判官の質問が終わり、山口裁判長が『ごくろうさまでした』と証人尋問が終わったことを告げた。

 約3分後、次の証人尋問の準備が終わり、別室の女性証人が宣誓書を読み上げた。

検察官「あなたは以前、押尾被告と交際していましたか」

証人「はい」

検察官「薬をもらって飲んだ?」

証人「はい」

検察官「何回?」

証人「3回です」

検察官「知り合ったのはいつ?」

証人「去年の2月ぐらいで、まもなく肉体関係を持ちました」

検察官「押尾被告と外国に行ったことがありますね」

証人「はい」

検察官「いつ、どこに行きましたか」

証人「去年の3月に、(米国の)ロス(ロサンゼルス)に行きました」

検察官「ロスには3月のいつごろ、どこにいました?」

証人「14日から21日までホテルにいました」

検察官「薬を見せられたことはありますか」

証人「はい」

検察官「どんなふうに薬をみせられた」

証人「透明でチャックのついた袋の中に粒状の薬が入ってました」

検察官「薬の色は?」

証人「オレンジ色と青色でした」

検察官「押尾被告から何か聞きましたか?」

証人「エクスタシーと言われました」

検察官「それを飲んだ?3月14日に初めて飲んだ?」

証人「はい」

検察官「どういった形で飲んだ?」

証人「押尾被告に勧められて飲みました」

検察官「オレンジか青色どっちか覚えていますか」

証人「オレンジ色のものを1錠飲みました」

検察官「変化は?」

証人「体がふわっとした感じがありました」

⇒(8)汗が止まらず「ヤバい」MDMA飲んで異変の親密女性 ロスのホテルで